◆判定を下すことの難しさと、絶えないクレーム
ファクトチェックという営みは、単に「正解」を提示するだけではなく、激しい感情のぶつかり合いを伴う。古田氏は、検証結果を公表したあとに寄せられる反応の厳しさを明かした。
「我々はだいたい3年間で1000本のファクトチェックをやってきた。そのうち全てに関して『何か私が言われた』とか、『私が信じてるものに言われた』という人から、クレームが来なかったことはない」。
こうした反発が起きる背景には、受け手の「バイアス」がある。人は自分の価値観に近い情報を、根拠がなくとも正しいと思い込む傾向があり、それをSNSのアルゴリズムが強化している。古田氏は、自らの立ち位置を「まるで口うるさい学級委員みたいに見られる」と語りつつも、ファクトチェックの本質を次のように強調した。
「僕らはもうただ単に、ある情報が拡散していて世の中に影響を持った時、その情報が間違っているのであれば『ここが間違っています』と淡々とやる。単に情報を追加してるだけ。ただし見え方としては、自分が否定されたとか、自分が信じる情報が否定されたみたいに気分を害する人がいるのは間違いない」。
◆ファクトチェックとメディアリテラシー
