27日、皇位継承の在り方を巡って高市総理が「男系男子」への強いこだわりを示した。なぜ高市総理は固執するのか? そもそも「男系男子」とは何か?象徴天皇制に詳しい名古屋大学の河西秀哉准教授に聞いた。
高市総理の「皇統に属する男系の男子に該当するものに限ることが適切とされています。政府としても私としてもこの報告を尊重します」という国会での答弁に対し、河西准教授は「少し“勇み足”だと思う。有識者会議の報告書には『悠仁親王までは』と書かれているが『男系男子にこだわる』などとは書いていない。そもそも有識者会議の報告書は皇位継承の問題というより『皇族数を増やす』ことについて書いてある。そのため、自分の思想の方が先に出ている印象を受けた」と述べた。
なぜ高市総理は「男系男子」に並々ならぬこだわりを持っているのか?
河西准教授は「おそらく世間的に天皇、皇后の子どもである愛子内親王の人気が高いことに加えて、女性天皇を待望するような声も大きい。その中で『女性天皇がいいのでは』などという声が出てくることを避けようとしているのではないか」と分析した。
先の選挙で自民党が圧勝したことも高市総理のこのタイミングでの発言と関連しているのか?
河西准教授はこれを肯定しつつ「自民党の今回の選挙公約の中に男系男子の“旧宮家”と呼ばれる人たちを養子に入れることが第一優先だと書いてあった。この公約を意識していた人は少ないが、この公約を掲げての圧勝したことでかなり強気になっているのではないか」と推測した。
河西准教授は、そもそも皇位継承について国会で質問したのが同じく鷹派の小林政調会長だった点にも着目する。「もしかしたら示し合わせたかもしれない。つまり、国会でのこの発言によって既成事実を作ってしまい、『これこそ伝統だ』『有識者の報告書も出ている』などと押し切ろうとしているのでは」。
そもそも、男系天皇、女系天皇とはどのような意味なのか?
河西准教授は「男系というのは、父方から天皇の血を引き継いでいる人のことをいう。一方で、女系は母方から天皇の血、皇族の血を継いでいる人のこという。だから、例えば愛子内親王は父親が天皇なので男系になる。そしてもし愛子内親王と皇族ではない方との間に子どもが生まれた場合、女系という形になる」と説明した。
日本の歴史上、女系天皇は存在しなかったのか?
河西准教授は「とても難しいところだ。例えば大化の改新で知られる中大兄皇子は父親も母親も天皇だ。つまり、男系でも女系でもある形だ。とはいえ、父親が民間人で、母親が皇族という、純粋な女系の人が天皇になったケースは今までなかった」と解説した。

