■「1%しか使われていない」制度拡大への疑問
神津氏は「裁量は本来、労働者の裁量だ。しかし世の中全体では、経営者の裁量で決まるものだと誤解されている節がある。もし本当に働く人の裁量で決まっているのなら、労働側から拡大の要望が出てもおかしくない。ところが実際は経団連が拡大を求めている。この逆転現象こそが、制度の胡散臭さを物語っている」と指摘。
現行制度の普及率の低さにも言及し、「専門業務型はシステム開発や金融商品の開発など、今でも広い範囲を含んでいる。しかし、適用されているのは1〜2%程度だ。良い制度だと思われているならもっと使われているはず。普及していないものをどう拡大しようするか、極めて疑問だ」と語った。
また、制度運用の実態については、「政府の調査によれば、自分で労働時間を決めている適用者は4割しかいない。残りの人は会社や上司が決めている。これでは本来の趣旨から外れている。過労死や過労自殺が今も年間約200件起きている日本では、そうした問題を解決してから議論を始めるべきだ」と主張した。
■「日本経済が自分の首を絞めた30年間」
