■イラク戦争の過ちを繰り返す?岩盤支持層「MAGA」からも反発

 攻撃が始まった中、トランプ大統領はさらなる大規模攻撃も示唆している。どうすれば終わりが来るのか。三牧氏は過去の歴史を引き合いに出した。

「今回、アメリカ国民は、トランプ大統領からイランの体制転換を示唆するような言葉が出たことにも衝撃を受けている。2000年代にアメリカは、イラクに対して軍事行動に出た。大量破壊兵器を持っているとしてイラクを攻撃したところ、実際には大量破壊兵器はなかった。そこで体制転換に重点が移され、アメリカはイラク、中東にかかずらうことになったわけだ」

「今回のような斬首作戦、アメリカは圧倒的な軍事力を持っているのでトップを打倒することは比較的簡単だが、トップを取り除いた後、新しい政治体制、新しい国を作ることは本当に大変だということを2000年代の中東への介入でアメリカは学んだはずが、また同じ過ちを繰り返そうとしているのではないか。こういう懸念が、アメリカ国民の軍事作戦への不支持の1つの大きな要因になっている」

 トランプ政権を強硬に支持する層の心も離れつつあるのだろうか。

「いわゆる岩盤支持層のMAGA(Make America Great Again)は、やはり軍事行動を無党派や民主党支持者よりは強く支持しているが、その中でむしろMAGAだからこそ、この軍事行動に反対する人も出てきている。というのも、トランプ大統領はアメリカを偉大にしてくれるということで支持してきたのに、今回の軍事行動はアメリカ軍、アメリカの資源を使って、一体アメリカが何を得られるのかも分からない。結局のところ、トランプ大統領はMAGAではなく“MIGA”ではないか、つまり、イスラエルを偉大にしているのではないかとも言われている」

「イスラエルにとってはこの軍事行動はアメリカが加勢してくれて、宿敵であるイランを弱体化できて大きな利益があるが、アメリカはいつどのように終わるか分からない戦争に足を踏み込んでしまったのではないか。トランプ大統領はイスラエルにかかずらってアメリカの国益を見失っているとして、岩盤支持層のMAGAからも強烈な反発が出ている状況だ」

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