◆アメリカの攻撃に対する「法的評価」の難しさ
現在、最も注目されているのは、アメリカの軍事行動を日本政府がどう評価するかという点だ。高市総理は訪米に際し「現段階で法的な評価ができるというものではない」と慎重な姿勢を崩していない。
この法的評価のプロセスについて、石破氏は「自衛権の行使」という観点から詳細に分析した。「イランからアメリカに対して急迫性のある武力攻撃があったわけではない。そうすると、どうやって『自衛権を行使した』と整理するのか。先制的自衛や予防自衛という概念がある。一つのことを見れば、まだ急迫性の武力攻撃ではない。しかし、いろいろなことが積み重なって、それを全部合わせると急迫性の武力攻撃と同じような評価になる。これを集積理論というが、どの理論を使えばアメリカの攻撃というものが評価できるか。それは感情的にいいとか悪いとかの話をしても仕方がない。今まで国連でどのような評価があったか、国際司法裁判所でどういう評価があったかなどを自分の中で整理しとかないと、判断はできない」と、冷静な理論構築の必要性を説いた。
さらに、過去のイラク戦争を引き合いに出し、「アメリカは(イラクが大量破壊兵器を)持っていると言うからそうだろうと、(当時総理の)小泉純一郎さんは支持した。それをどう国民に説明するか、国際社会に説明するか。学習効果がないはずはない」と、過去の教訓を踏まえた説明責任の重要性を指摘している。
仮に法的評価が否定的になった場合、後方支援を断るのかという問いに対しては、「その場合は国内の支持も得られないし、難しいのではないか。アメリカに対して、今イギリスも一緒にはやらないと言って、一緒にやっているのはイスラエルだけ。例えばG7の他のメンバーはどうなのか、アメリカの同盟国はどうなのか。日本はどうやって歩調を合わせるべきかも総合的に判断しないとできない」と述べ、多角的な視点での判断が不可欠であるとした。
ホルムズ海峡が封鎖されたと報じられる中、日本への影響は避けられない。アメリカに対して日本はどのような意見を言うべきなのか。
石破氏は、「最初に我が国の国益を考えなければいけない。アメリカに意見をするならば、いかにして(イラン攻撃を)早期に終わらせるか。アメリカの今回の行為が一体何を狙ったものであるのか(を確認すること)。やはりNPT(核不拡散条約)体制を守っていく中にあって、これ以上の核拡散というのは防がなければいけない。それは当然、北朝鮮の問題とも連動してくる。どうやって核拡散を防ぐかとホルムズ海峡の安全をどう確保するか」と、エネルギー安全保障と核拡散防止の観点を挙げた。
(『ABEMA Prime』より)

