◆前総理から見る高市政権とは

内閣支持率
拡大する

 自民党が圧倒的な議席を獲得した先の選挙結果について、石破氏は「国民が選んだ結果。我が国は民主主義国家だ」と一言を置いた。しかし、自身の政権時と現在の高市政権を比較し、世論の受け止め方の違いについては自己分析している。自身の言動が「石破構文」と揶揄されたことに触れ、「まどろっこしいと。はっきり結論を言えということだった」と、自身の慎重な物言いが有権者の目にはもどかしく映っていた可能性を認めた。

 その例として、消費税の議論を挙げ、「食料品を非課税にすると2年間で10兆円の穴が開く。そこを何かで補填できなければ財政が悪くなる。そうすると通貨は下がるし、そうすると金利は上がる。なんていう話をしただけで『まどろっこしい』という話になる」と語り、複雑なファクトを丁寧に説明しようとする姿勢が、現代のスピード感には合わなかったと振り返った。

 対照的に、高市政権が支持を得た要因については「やはり分かりやすいというもの、力強さというのが大事だったと思う」と分析する。情報がショート動画などで拡散される現代において、短時間で結論を言い切るスタイルが国民に響いたと指摘した。一方で、高市氏が総理に就任して以降、石破氏との直接的な対話は行われていないという。石破氏は「(選挙で)勝ってからはしてないと思う」と明かしつつも、「総理の大変さがわかるのは、今の議員で言えば麻生元総理、岸田元総理、そして私。やった人でないとわからない」と、重責を担う後継者への理解も示した。

 選挙で「勝ちすぎた自民党」とも言われる現状に対し、石破氏はかつて自身が幹事長を務めていた際に圧勝した経験を引き合いに出し、強い危機感を示した。「当選したばかりの議員さんに話したのは、全部の有権者に占める自民党の得票率は3割ぐらいということ。棄権する人もいっぱいいるし投票率も50%ぐらいだから」と、組織の慢心に釘を刺したという。現在の圧勝についても「事実として3割に満たない得票率で8割の議席をいただいている。それを忘れるとまずい」と述べた。

 さらに、圧勝の後も高市総理が「白紙委任を受けたと思っていない」と発言していることに触れ、たとえ選挙で勝ったとしても、消費税減税による財源不足や地方財政への影響といった「ファクト(事実)」から逃げることはできないと指摘。「野党に言われるまでもなく、自民党の中でちゃんと整理しないといけない」と、党内での活発な議論を促した。

◆総理時代に「できたこと」と「残した悔い」
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