稼げない博物館は淘汰される?財務省に聞いてみた「閉館ないわけではないが…」国立博物館等に収入目標設定で波紋…慶応大教授「予算増とバーターの強いメッセージでは」

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■閉館の可能性は?財務省「ないわけではない」文科省「想定していない」

松本洋平文科大臣
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 ただ、「再編」の中身については、閉館も含まれるとの報道も相次いだ。そのため、SNSでは反対する声が多く上がった。

 「#文化庁による博物館美術館潰しに反対します」というハッシュタグが発生し、「文化の維持や継承のためにこそ税金を使えよ!」「文化を守らず何のための文化庁か」などの意見も見られた。

 今回の騒動を巡り、松本洋平文科大臣は「再編については各館の展示収入が4割未満となることだけを持って、すぐにその対象となるのではありません。当然、社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館につきましては、各館の役割分担等を見直すことで法人全体の機能強固を求めるものであり、閉館を想定しているものではないということは改めてお伝えをしたいと思います」と説明している。

 文科省は、再編は閉館を想定しているものではないとしている。一方、財務省に確認をすると「閉館の可能性はないわけではない」という。

 ただし、閉館は極端なケースであって、4割に届かなければすぐに廃止というわけではない。その判断は「社会的意義があるかどうか」、つまり税金でやるべきかどうかだという。

 背景には、全体として交付金の依存割合が高いことへの問題意識がある。今後、人口減少社会を考えていくと、サステナブルな収益構造であるか考える必要があるということだ。中室氏は、国立大学の状況と重ね合わせて次のように語る。

「国立大学とかも結局同じだと思う。国立だから全部国が面倒見てくれるということではなく、自己収入を増やせる余地があるのであれば、持続可能性は高くなる。国立美術館は私も行くが、素晴らしい施設だと思う。外国人の観光客も含めて、より多くの人に来てもらえる努力をすること自体はあっていいのかなと思う。ただ、この『閉館』という言葉に反応した人がいるのは十分理解できること」

「財務省は、文化庁全体の予算、そして国立博物館や美術館の予算を、今年はインフレもあって増やすので、そのバーターとしてちゃんと展示の部分の収入を増やしてくださいよという強いメッセージだと捉えるのがいいのではないか」

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