将棋の「囲碁将棋チャンネル ALSOK杯第75期王将戦七番勝負」第6局が3月18、19日の両日、愛知県名古屋市の「名古屋将棋対局場」で指され、藤井聡太王将(竜王、名人、王位、棋聖、棋王、23)が永瀬拓矢九段(33)に103手で勝利した。藤井王将は、シリーズ成績1勝3敗という絶体絶命の大ピンチから見事なリカバリー力で2連勝を飾り、両者3勝3敗のタイに。絶対王者が執念でカド番をしのぎ、5連覇への望みをフルセットの最終局へと繋ぐ結果となった。
タイトル奪取に王手をかけた挑戦者と、絶対に負けられないカド番に追い込まれた藤井王将の激突は、将棋界の第三のホームとして2022年6月にオープンした「名古屋将棋対局場」を舞台に争われた。名古屋駅直結のミッドランドスクエア25階に位置し、開けた視界から「天空の対局場」とも呼ばれる同所。普段は主に順位戦の対局が行われており、タイトル戦が開催されるのは今回が初となった。名実共に“頂上決戦”にふさわしい天空の舞台で、両者は死闘を繰り広げた。
藤井王将の先手番で始まった本局は、両者ともに研究が深く行き届いている角換わりの出だしとなった。後手番の永瀬九段が早々に仕掛けていくと、藤井王将も相手の攻めを強く催促。どちらにとっても絶対に譲れぬ一戦とあり、盤上は瞬く間に激しい戦いへと展開していった。藤井王将も反撃を開始して超高難度な中盤戦へと突入し、1日目は永瀬九段が“手裏剣”の歩を放ったところで藤井王将が次の一手を封じて指し掛けとなっていた。
運命の対局2日目は、藤井王将が前日に封じた55手目の開封から再開された。互いに持ち時間を慎重に使いながら最善手を追求する息詰まる攻防が続いたが、難解な中盤戦でわずかにリードを奪った藤井王将が、そのまま的確な指し回しで優位を拡大。激しい寄せ合いの中、永瀬九段の鋭い猛追を冷静に振り切り、見事に地元・愛知で貴重な3勝目を挙げた。後がない1勝3敗の状況から、王者の底力を見せつけるような驚異的な巻き返しを見せつける結果となった。
藤井王将、永瀬九段の終局後コメント




