■海外への武器輸出が日本のため?
防衛装備移転三原則は、「日本が締結した国際条例や国連決議に違反する国、紛争当事国への移転は禁止」「平和貢献・国際協力や日本の安全保障に資する場合に限定して移転を認める」「目的外使用や第三国への移転については、日本の事前同意を相手国政府に義務付けて、適正管理が確保される場合に限定して可能」から構成されている。
自民・維新の与党は3月6日、「防衛装備移転三原則の運用指針」の見直しに関する提言を高市総理に提出した。主な内容として、殺傷能力を持つ「武器」の海外輸出を原則可能にすること、武器輸出先を国連憲章に沿った使用を約束する国に限定し、戦闘が行われている国へは原則認めない、などが盛り込まれている。
日本の安全保障の要である防衛装備庁の元長官、土本英樹氏は、「核の均衡を保ちながら、各地で代理戦争が行われていた冷戦期とは違う。日本は今、核兵器を持つ3カ国に囲まれている。ある国は日本の近くに弾道ミサイルを撃ちまくる。ある国は力で現状変更しようとして、尖閣周辺によく来る。もうひとつの国は、ヨーロッパの正面で国際法違反の侵略行為をしている」と説明する。
こうした状況もあり、「明らかに日本周辺の安全保障環境が変わり、政府も最近の防衛白書では『戦後最も複雑で最悪な状況だ』と評価している」のだという。「日本1カ国で防衛は成り立つのか。日本を守るには、2つのパーツがある。まずは“抑止力”で、諸外国が『これを持っている日本に攻めると大変なことになる』と感じる。もうひとつが、攻められた場合の“対処力”。攻められたときに、何もできないのでは困る」。
そして、「これを1カ国でやるのは非常に難しい。となると、同盟国や同志国に日本の装備品を渡して、その国のキャパシティーを高める。地域全体を安定させるべく、しっかり抑止力を確保し、いざという時の対処力も強化する」ことが、武器輸出拡大の理由のひとつだとした。
また、「ウクライナ戦争がここまで長期化するとは、誰も思っていなかった。継戦能力を保つには、弾薬やドローンを供給し続けないといけない」とし、その時に装備移転が果たす効果について話す。
防衛産業への影響として、まずは「平時は移転しておいて、万が一日本が攻撃された場合に、移転用の生産ラインを自衛隊向けにする」。2つ目は「海外に出せるとなると、企業としても投資しやすくなる」。第3に「量産で価格が安くなる」、最後に「サプライチェーンの国際化で、万が一の時に備える」が考えられる。「オーストラリアに護衛艦を輸出する予定だが、最初の3隻は日本で作り、4隻目からはオーストラリアで作る。すると両国で同じ装備品が作られるため、有事で日本の防衛産業がやられても逆輸入できる」。
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