しかし、土俵際で一瞬のスキを突いた宇瑠寅は、素早く武田の懐に潜り込むと、吸い付くような動きで武田の右足を奪った。重厚な巨体を「足取り」で転がすと、5勝目を挙げ、今場所を締めくくった。
驚くべきは宇瑠寅が今場所挙げた白星の決まり手にある。宇瑠寅の今場所の取組を振り返ると、その特異さが際立つ。初日の西勢郷は129キロ(66.5キロ差)、三日目の大志翔は119キロ(56.5キロ差)、六日目の魁玉聖は130.9キロ(68.4キロ差)、十日目の菊池は123.1キロ(60.6キロ差)、そしてこの日の武田は163.2キロ(100.7キロ差)。対戦相手はすべて100キロ超えの力士でありながら、宇瑠寅は全ての決まり手を「足取り」で揃えてみせた。自分の倍以上の体重がある相手を同じ技で翻弄し続ける姿は、まさに相撲の醍醐味を体現していると言える。
宇瑠寅は栃木県大田原市出身の36歳。165.3センチ、62.5キロという現役最軽量力士ながら、長年稽古に励み、日々、土俵に立ち続けている。そんな宇瑠寅の雄姿に「奇跡の36歳」「小兵の希望」「すごすぎる」など感嘆の声が相次いで寄せられた。(ABEMA/大相撲チャンネル)
この記事の画像一覧2026年3月場所 9日目
更新日時:2026/03/16 19:11
※ ○=勝ち、●=負け、□=不戦勝、■=不戦敗
