将棋の藤井聡太王将(竜王、名人、王位、棋聖、棋王、23)に永瀬拓矢九段(33)が挑戦する「囲碁将棋チャンネル ALSOK杯第75期王将戦七番勝負」は3月25日、大阪府高槻市の「関西将棋会館」で最終第7局の対局を開始した。カド番をしのぎフルセットに持ち込んだ藤井王将が大逆転で防衛を果たすのか、それとも王者を極限まで追い詰めた永瀬九段が悲願の王将奪取を決めるのか。日本中が固唾をのんで見守る大一番の対局前、藤井王将が見せた“ある気遣い”に驚きと称賛の声が上がっている。
決戦の朝。午前8時50分すぎに対局室に姿を見せた藤井王将は、上座に着座して身の回りを整えた後、本局の立会人を務める桐山清澄九段(78)へそっと声をかけた。すぐに日本将棋連盟の職員が駆け寄ると、藤井王将はこう要望を伝えた。
「展示用のゼリー飲料はこっち(中継カメラ)に見えるように置いていただけますか。お盆の方は普通このまま(右手側)置いておいていただけますか」
王将戦に協賛する企業のゼリー飲料が脇息の側に用意されていたが、藤井王将はそれを中継カメラにしっかりと映る自身の左側へ配置してほしいと求めたのだ。
「こんなタイトル防衛か獲られるかみたいな一番で、そこに気が利くって…」




