■アカデミー賞の変化と政治的メッセージの抑制
アカデミー賞について、ロサンゼルス在住の映画ジャーナリスト、猿渡由紀氏は、「トランプ批判は少なかったと思う。プロデューサーがあまり政治色の強い授賞式にしたくないという方向性が見えていた」と指摘。
かつては過激な移民政策に反対するバッジを着用する出席者も目立ったが、今回は「気を付けて見ていても本当にちょっとしかいなかった」と語った。
この背景について、ソニーアメリカの筆頭副社長やワーナーミュージック会長などを歴任した、金沢工業大学・虎ノ門大学院教授の北谷賢司氏は、商業的な理由を挙げた。「あまりにも過剰な表現が話題になると、スポンサーが逃げる。現在アカデミー賞を放送しているABCネットワークはディズニーが所有しており、企業として過剰な表現を控える動きがある」と分析した。
さらに、「アカデミー賞自体が2029年からYouTubeでの全面配信に移行する予定であり、広告媒体としての価値を維持するために、団体そのものが方向修正を行っている」と続けた。
■エンタメ業界に押し寄せる「揺り戻し」の波
