妻はなぜ殺害されねばならなかったのか。その真相がわからないまま客観的証拠だけが並べられ、裁判が行われる。推定無罪の原則のもと、量刑が決められていく。それが司法であり裁判制度だ。被害者の「知る権利」は満たされず、怒りと悲しみは行き場がない。
被害者の夫である高羽悟さんは「黙秘権は憲法で認められた被疑者の権利だとわかっている。でも黙秘された側は、真相すらわからないまま量刑だけが決まっていく。それが相手側の狙いとは思うけど、被害者の権利はどうなるのか。イギリスでは黙秘すると、不利に扱われると聞く。せめてそういった仕組みがあってもいいんじゃないかと思う。この国は加害者の人権を優先する。被害者はないがしろ、これが一番つらい。だから民事訴訟に出ることにした」と語る。
若狭弁護士は今回の裁判でこそ動機の解明が必要だと訴える。「人間が殺意を抱くのは大体、了解可能な経過をたどることがあって、どういう経緯でどうして彼女を殺すという気持ちになったのか。その動機が検察においては一番解明しなければいけない点。非常に今回の事件ではポイントになる」。
「正直、裁判はあまり期待していない。でも、まだ奈美子に報告できていないので、公判は傍聴したいと思っている」(高羽さん)
被害者夫・高羽悟さんが推察
