■「スポーツは誰のものか」三輪氏が指摘する本末転倒
アスリートの中に歓迎している人がいる背景について、三輪氏はスポンサー問題などの切実な理由を挙げつつ、次のように語った。
「その人がいなければ自分が1番になれたかもしれないのに、その人のせいで自分が1番になれない。1番になれなかったことでスポンサーがつかない、スポンサーの数が減るなど、切実な問題は背景にはあると思う。1番の人にばかりスポンサーがつくというのは、資本主義社会の問題でもあるわけで、1番にならなきゃいけないというスポーツの過酷さの側面もある」
「そうした理由から選手は確かに歓迎している人がいるのかもしれないが、ここで考えたいのは、スポーツは誰のものかということだ。スポーツは、競技をする人だけでなく、応援する人がいて、見る人がいて、成立している。スポーツの歴史というのは、排除ではなく包摂する形で発展してきたはず。例えば男女差別で言うと、女性のプロスポーツの方が報酬が少ないということに対して戦ってきた人もたくさんいる。そういう歴史がある中で、『保護』とか『スポーツ』の名のもとにまた排除が始まるとしたら、これは本末転倒ではないか」
(『わたしとニュース』より)
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