■欠如している「ケアの精神」…まずは1歩を踏み出す
では、孤立しないためにどうすればよいのか。伊藤氏は、「男性は体と心をいたわる『ケア』の概念が欠如している。ケアの精神がなければ友達はできない」と考えている。伊藤氏自身はコロナ禍で人と会わなくなり苦しくなったことから「6020運動」を始めたそう。その時期に肌を労るスキンケアを始めたことで、自分や他人を労ることにつながったという。
これに対し、瀧波氏は「なぜなら男性はケアを外部委託してきたから。自分の妻とか母親とかにあれこれ世話をしてもらう立場であることが今まで多かった。だから、自分でケアすることの機会を持つことができなかった。セルフケアにおいても、女性はエステとか肌のケアをこまめにやる習慣がついているけど、男性だとちょっと恥ずかしかったりとか。多分、スキンケアと聞いて『関係あるの?』って思っている人がいると思うけど、関係あるんですよ」との見方を示した。
男性の中には、「肌の保湿=スキンケア」と考えない人もおり、スキンケアをしていることは男性らしくないと思われるため、言いたくないという心理もあるようだ。
「やっぱり女性が思っているよりも、そういう呪縛ってすごいんでしょうね。こっちは(スキンケアを)やっちゃえばいいじゃん、友達作っちゃえばいいじゃんって思うんだけど、私たちにはわからない、何かものすごく強い抑圧があるんでしょうね」
「『強くあらねば』という考えが自分の役に立つときもあると思うけど、でもこれ以上強くは無理だなってなって、助けを求めることも一つの強さじゃないですか。“男らしさの呪い”が強いんだったら、その助けを求めるのも男らしさという風に取り込んでくれたらいいのかなと思う。解くのが難しいんだったら。本当は解いてほしいけれど」
さらに伊藤氏は、「最大のハードルだが、友達を作るためには“人を誘う”しかない。断られたらどうしよう、面倒臭いなどと考えずに気楽にやっていくことが大切」と提言する。
瀧波氏は「誘って断られたらつらいというのもハードルになるのかな。1人ダメならまた次。みんな忙しいんだから。それで10人くらいのリストがあれば1人くらいは…。そうしていくうちに『誰かと会いたい』ということが周りに伝わるし、後からまた声をかけてくれたりもすると思う。具体的な自分の話をするのが難しいなら、趣味の話とかテレビでこれ見たとかスポーツの話とかでもいいんだから、まずは1歩を踏み出してほしい」と語った。
(『わたしとニュース』より)
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