高市政権が掲げる外国人政策の柱として、政府は現在、外国人による日本の土地取得を規制する検討を進めている。テレビ朝日政治部の佐々木一真記者は、この問題の背景にある安全保障上の懸念や、法整備を阻む国際的な壁について解説した。
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山口県の離島・笠佐島では、10年ほど前に人口わずか5人ほどの島の一部を上海在住の中国人が購入し、重機が運び込まれるなどして島民に不安が広がっている。この土地は住民の居住エリアから離れており、購入者は別荘を建てる目的があるとしている。
笠佐島は米軍や自衛隊の岩国基地、海上自衛隊の呉基地、伊方原発といった重要施設に囲まれており、住民からは安全保障上の懸念が出ている。佐々木記者は、私有地であればドローンを配置することも原則自由であるという現状に触れ、「ドローンを使うと、20キロ、30キロ、簡単に飛んでいける。では、どういう規制をしたらいいという議論が今まさに政府内で行われている」と、技術の進歩に伴う新たなリスクを解説した。
なぜこうした土地が外国人に渡ってしまうのかという点について、佐々木記者はこれまで日本には土地所有者の国籍を把握する仕組みがなかった実態を明かした。不動産登記に国籍欄がなかったため、政府も全体像を管理できていないという。政府はようやく「今年の10月から登記をする際に国籍を書くことを義務化する方針を決めた」が、過去の取得分については把握が難しいままである。
ルールを決めて制限することが難しい背景には、WTOなどの「内国民待遇」という国際協定の壁がある。これは外国人であっても自国民と同じ扱いにすることを求めるもので、佐々木記者は「外国人に限定して土地購入を厳しく制限することはなかなか難しい」と語った。
このため、日本政府はイギリスなどの事例を参考に、日本人・外国人を問わず安全保障上のリスクがある場合に制限をかける方向で検討しているが、これも容易ではない。佐々木記者は、防衛省がある東京・市ヶ谷のような都市部を例に挙げ、「マンションもオフィスビルもたくさん建っている。そこを広げて許可制にするとなると難しい」と、実効性と経済活動への影響のジレンマを指摘した。
高市総理はこの政策に非常に強い意欲を持っており、夏までの取りまとめを目指しているが、佐々木記者は「なんとかこの土地取得規制をうまい形で、実効性がある形で着地させたいが、ハードルは高い」と政府内の苦悩を伝えた。
(ABEMA/ニュース企画)

