◾️女性の存在は空気?男女比が引き起こす「環境型ハラスメント」
理工系分野で女子枠を実施する大学が38校まで増加したことについて、中野氏は女性を増やそうとする動き自体は歓迎しつつも、現状の課題を語る。
「当初は一部の大学のみが実施していたため、それが大学の特色となり、明確なメッセージを伴った発信ができていたと思う。ただ、これだけ広がってくると、理系を志望する女子学生自体がそれほど増えていない状況では、限られたパイを大学同士で奪い合うことになりかねないのではないか」
理系の中でも医学部や農学部は女性比率が比較的高いものの、理学、数学、工学部などは上昇傾向とはいえ割合的にはまだ低い。その上で、男女比率の偏りがもたらす問題について次のように指摘する。
「例えば理工系だと女子学生も少ないし、その先にいる教員も女性が少ない現状がある。9対1とか8対2にも届かないような環境だと圧倒的なマイノリティで、ハラスメントが起きやすい。それは学生に対する教員のハラスメントだけでなく、環境型ハラスメントもある。例えば、学生60人とかのうち女子学生が5、6人しかいないような環境では、彼女たちの存在がまるで空気のように扱われてしまいがち。周囲が平然と性的なジョークを口にし、それを不快に思う人がいても無視して話し続けたり、結果として女性を排除するような言動が起こりやすくなると思う」
「環境を変えようにも、あまりにもマイノリティだと声を上げにくく、どういう風に変わってほしいかという議論が進まないところもある」
性別以外にも不平等は存在 大学が発信すべきこと
