【怒号】「検察庁の敵視は反社」東京地検特捜部“不適切な取り調べ”録画してもなぜ?「口を割らせるのが正義」弁護士が指摘

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 被告側は、担当検事を刑事告訴したが、東京高検は2026年3月、違法な行為であると認めるに足る証拠はないとして、不起訴とした。生田被告は、これを不服として、裁判所に裁判を求める付審判請求を行っている。また、国を相手に損害賠償を求める民事裁判も起こしていて、法廷で映像を再生するよう求めている。

 レゾバティール法律事務所の阪口采香弁護士は「こうした取り調べは録音・録画によって少なくなってきてはいるが、あるにはある。こうした取り調べがあるからこそ、冤罪も生まれてくる。取り調べの時も、まだ罪が確定していない以上は、その人がやったかどうかわからない状態だ。“犯人”と断定して取り調べをするのではなく、あくまで人として取り調べをしてほしいと切に思う」と語る。

 今回のような取り調べの映像は「基本的には『プライバシーに関わる』と、出さないことが多い。今回は裁判所が『出す必要がある』と認めたから出てきた。こうした取り調べがあった時には、特別公務員暴行陵虐罪という特別な犯罪がある。法定刑が“7年以下の拘禁刑”で、通常の暴行罪より重たい刑が定められている」と説明する。

 量刑については「取り調べなど、国が行うことは信頼されていないといけない。その信頼を守る意味がある。また、絶対的な権力のため、暴力や、暴行以外の方法で精神的・肉体的に苦痛を負わせる“陵虐”を伴う取り調べをしないようにしようという思いから、強めの刑罰になっている」のだそうだ。

 今回の件に関して「立件しようとしても、不起訴になってしまった。この時のために付審判請求がある。裁判所に『やはりおかしい。検察内部で起訴するか判断するのではなく、裁判所が直接判断して』と請求できるシステムで、それで今争っている状況だ」と解説する。

 取り調べに弁護士が同席できない理由として「『弁護士が取り調べに同席できる』という、明文の規定がない。明文の規定がないことプラス、実務上もずっとそうなっている。裏を言うと、おそらく弁護士が立ち会うと、弁護士が全部止めて、何も聞き出せないという状況が起き、取り調べとして機能しなくなるからだろう。ただ、あくまで正常に行われている取り調べの時はそうかもしれないが、こういったことが起こるのであれば、それを訴えた場合には弁護人も同席できる案もあっていい」とアイデアを出す。

 しかしながら、現行制度は「国家権力側が運用しているため、訴えていくことはもちろん大事だが、弁護人の意見ですぐに変えるのは難しい」と現状を明かす。

 検事の発言には「『黙秘していいと思っているのか』と出てきたが、黙秘は権利だ。黙っておく権利があるのに、黙秘することが悪い方に行くと誘導して、何か言わせようとしている。これは本当にあるまじき行為だ。権利を行使しているだけであり、『いいと思っているのか』と言われても、『権利です』という話だ。そこは違う」と指摘する。

 一方で「取り調べは、何かを聞き出さないといけないのも事実だ。黙秘権を行使している被疑者に対しては、警察官も検察官も口を割ろうとして、言葉が強くなっていく。『この被告が』という意味ではないが、一般的に嘘をつく人もいる。それに対しては『嘘をつかず、ちゃんと言いなさい』と言うことも取り調べの中では必要でもある」

 これらの背景から、「声が荒くなるのはあると思うが、それも節度を持って、“犯人”ではなく“人”だという前提での荒らげ方であれば、ストッパーもかかる。そうした気持ちを持って取り調べをしてほしい」と求める。

 冤罪問題に取り組み、2年前に亡くなった人権派裁判官、木谷明弁護士は、生前の取材に対して、「取り調べの録画など、可視化が進んでも、検察の恫喝や暴言は変わらない。なぜなら、彼らは恐れていないから」と話していた。

 恐れない理由を阪口弁護士は「取り調べている側は『この人が犯人だから、別に何を言ったとしても、口を割らせることが正義だ』と思っている。だから、恐れずにどんどん言ってしまう実態がある」指摘。「そこの認識を変えていかないと、おそらく捜査機関側と弁護士側とで、議論はずっと平行線のままだろう」とした。

(『ABEMA的ニュースショー』より) 

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