高所得者への課税強化に賛否「優秀な人材を口説けなくなる」スタートアップ業界が危機感

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■スタートアップに「水が差される」と懸念の声

各国の税負担
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 一方、経営株主への調査で96.8%が見直しを要望しているスタートアップ業界の立場から、ユニコーンファーム代表取締役の田所雅之氏は、優秀な人材獲得におけるインセンティブが削がれる懸念を、順を追って指摘した。

 「スタートアップではそんなに給料をもらえない。資金調達して、そんなにすぐ売り上げが上がるわけでもない。では、どうやって優秀な人材を集めるか。大企業なら、ネームブランドで優秀な人を待つが、スタートアップは将来に対する期待成長率に対して、ストックオプションという形を取ることが多い。。メルカリであれば、2019年に上場した時、企業価値が6000億円と非常に大きくなったが、20%をオプションで出した。これで『メルカリ億万長者』みたいな人が出た。創業者でなくても初期メンバーが1億円、2億円ともらえる夢が生まれた」。

 スタートアップにリスクを負ってでも参入してくる優秀な人材が、今回の増税によって踏みとどまってしまう可能性を示唆する。

 「スタートアップの戦略に水が差されている。結果として、優秀な人が減ってしまえば、成果も上がらない。アンケートを見ても、資金調達をしたら何に使うかというと、90%が『人』に使う。優秀な人材も、頭の中でそろばんを弾き、例えば今商社で年収2000万円をもらっていて、スタートアップが800万円だとしても、役員になれて上場でもすれば、数億円入るかも知れないと考える。ところが、この増税が適用されると、ガサッと持っていかれてしまうので、優秀な人材を口説きにくくなる。それが現場としては一番のネックではないか」。

 さらに、シンガポールで起業したStartale Group共同経営者の石川駿氏は、海外移転の容易さと起業家が負うリスクに見合ったリターンの必要性を次のように語った。

 「雇用されてるわけでもなく、リスクを取ってやっている分、そのリスクに合ったリターンは欲しいという声は多い。なので、追加の税の話が出ると、もともと日本は海外に比べて(税率が)高いし、海外に出ていくことも今では容易になっているので、海外での起業を検討する人は多いと思う。もちろん出国税などもかかったりはするが、私の場合はシンガポールの方がビジネスの環境が整っている。Zoomで話せるし、ブロックチェーンを使ってお金も海外に移せる。英語ができる人も増えた。世界中にビジネスを展開するならば、わざわざ日本でやらなくてもシンガポールやアメリカからやればいいとなるのが、我々の周りでは自然な考えだ」。

■「成功に対してのペナルティが助長される」
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