4日の衆議院・予算委員会集中審議で、中道改革連合の長妻昭議員が、個人情報保護法改正案をめぐり松本尚デジタル大臣らを激しく追及した。実名・住所付きの病歴データが外国企業に渡るリスクを指摘された松本大臣が、「ちょっと待ってください」と答弁に詰まり当惑する一幕もあり、審議は緊迫した空気に包まれた。
【映像】「えーと、ごめんなさい、ごめんなさい」当惑の瞬間(実際の様子)
長妻氏は今回の改正案について「活用一辺倒の部分があって、保護が軽視されている」と強い懸念を表明。病歴や住所、名前といった知られたくない「要配慮個人情報」が、統計作成やAI開発の目的(統計特例)であれば、本人の同意なく企業や個人事業主に提供できる条文が含まれている点を問題視した。高市早苗総理に対し、この条文の存在をいつ知ったのかとただすと、高市総理は「閣議決定前の法律案の概要説明を受けた4月に入ってすぐの頃」と答弁した。
続いて松本デジタル大臣は、現行法の「匿名加工情報」や「仮名加工情報」の仕組みを説明した上で、今回の特例は「AIの開発のみに利用すると限定した上で、安全管理措置や不要データの速やかな削除といった体制整備が決められている」と反論。「緩めるところと厳しくするところのバランスを取りながら、針の穴に糸を通すように立て付けをした」と法案の正当性を主張した。
しかし長妻氏は、妊娠中絶、認知症、精神疾患、遺伝病といった極めて機微な医療情報が、実名・住所付きで一旦第三者の企業に渡れば情報漏洩のリスクが必然的に高まると反発。海外では名前や住所を削除した「仮名情報」にするのが主流であり、実名での提供を可能とする日本の法案の異常性を訴えた。
さらに長妻氏は「マイナ保険証」を引き合いに出した。医療機関の窓口では、患者がその都度「お医者さんに自分の病歴を提供してよいか」を画面タッチで同意確認される。長妻氏は「自分の病歴を、治療を受けるお医者さんに提供する際でさえ同意を求められる」と指摘。データを提供する医療機関側には報酬があり儲かる仕組みになっている一方で、「今回の法律では、第三者の企業へ実名・住所付きのデータが渡るのを事前に拒否する権利(提供停止の請求権)が本人にない」と、法案の抜け穴を突いた。
「わざと分かりにくくされておられる」と批判
