「わざと分かりにくくされておられる」と批判
ここから、長妻氏と松本大臣の掛け合いは一段とヒートアップする。自席から「本人が(提供を)止められるのか?」と迫る長妻氏に対し、松本大臣は「個人情報が違法に取り扱われる場合は、本人は現行法の規定に基づき、提供元に対して提供停止の請求を行うことは可能」と答えた。長妻氏がすかさず「違法じゃない場合は?」とたたみかけると、松本大臣は「違法な場合に止めればいいのであって」と応戦。長妻氏がさらに「聞いてるのに答えていない」「個人が…」と自席から発言を挟むと、自席から幾度となく発言する様子に対してか、松本大臣は笑みを浮かべて長妻氏を指差し、議場にはヤジと笑いが飛び交って騒然となった。
委員長が「まず答弁を聞いてください」と制する中、松本大臣は先ほどとは打って変わって「えーと、違法な場合、ごめんなさい、ごめんなさい、ちょっと待ってください」と当惑した様子を見せ、一拍置いた後に「違法な場合は請求権を持っている。違法でなければ止める必要はございません」と述べた。
長妻氏は「わざと分かりにくくされておられる」と批判し、さらに重大な論点として「外国企業への実名データの提供」を追及した。改正案では、一定の「基準適合体制」が確認できれば、中国などの外国企業にも実名・住所付きの病歴データを提供できる仕組みになっている。しかもその体制チェックは、政府機関ではなく「提供元の病院と提供先の企業」が契約を交わす際の判断に委ねられているという。長妻氏は、現行法において「匿名であれば提供可能」とされている海外(中国含む)の企業へ、これまで何社にデータが渡ったのかを把握しているか質すと、松本大臣は「現状把握はしておりません」と答弁。長妻氏は「今度は実名入りのデータが渡る。例えば中国企業が違法にデータを使ったとして、中国まで出張して監視するのか」と、実質的に追跡不可能な流出リスクを追及した。
これに対して松本大臣は、提供元と提供先が十分に議論して合意した上で進める前提であるとした上で、データの流出などが懸念されるケースがあれば「当然そこで(取引や流出が)ストップすることになる」と言明。さらに「それがちゃんと明記されていないのであれば、今後医療情報に関する分野別ガイダンスをしっかり作っていく中で規定すればいい」と述べ、制度や仕組みの面で歯止めをかける考えを強調した。
しかし長妻氏は「どの外国企業に渡ったか全然把握していない。今度は実名入りだ。『中国企業に自分の情報は実名では嫌だ』と言っても止まらない、止める権利がない」と反発し、国家の管理体制の甘さと本人の拒否権が奪われるリスクを強く訴えた。
最後に長妻氏は、製薬メーカーが集まる製薬協が「氏名や連絡先の情報は必要としていない」と明言し、日本医師会が「極めて危険」、歯科医師会や薬剤師会、消費者団体、労働組合(連合)などもこぞって「仮名化すべき」「再検討が必要」などと声を上げている事実を提示。医学の進歩のためのビッグデータ活用には賛成としつつも、実名ではなく他国同様に「仮名化」すべきだとして、高市総理に意見を求めた。
高市総理は、閣議決定前の個人情報保護委員会からの説明ではこうした懸念についての報告はなかったとし、「与党でも審査されたもの。仮に修正という話があったら、それは国会のご判断だと思っている」とかわした。長妻氏は「総理にもはっきり説明していないのでしょうね。危ない法案なので修正をいただきたい」と強く訴え、緊迫の質疑を終えた。
(ABEMA NEWS)
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