■当番弁護士の役割と「手弁当」の歴史
当番弁護士の激減ついて、三輪氏は自身の経験を踏まえ次のように語る。
「2017年まで京都で当番弁護士をやっていたが、その時はゴールデンウィークや年末年始に待機する人が足りなくて、『誰か手を挙げてください』『足りませんよ』とよくメーリングリストで流れていた。2010年代もすでに、誰かが『しょうがないな』と手を挙げてなんとか回している状態だった」
さらに、当番弁護士の重要な役割についても言及。
「基本的に弁護士は警察官などの立ち会いなく、被疑者と1対1で会うことができる。これは大きなメリット。『今何に困っていますか』『どういう事実で逮捕されたかわかっていますか』『こういうことができますよ』とか、あるいは黙秘権をしっかり教えてあげるとか。『誰か連絡したい人はいませんか』と聞いて、連絡をしてあげたり。そういうことをするのが当番弁護士の役割。さらに、資力がない人は被疑者国選になるが、この後何が起こるかを教えてあげることも重要な役割」
1990年にスタートした当番弁護士制度は、「捜査弁護の夜明け」とも言えるものだ。
「最初に国選弁護人という制度がちゃんとできたのは“起訴後”。ただ、起訴されるまでにかなり時間がある。例えば、逮捕後勾留で起訴されないようにする弁護も大事。仮に被害者がやってしまったことであっても、勾留から起訴までの間に被害者の方と示談をするなど、そういう活動をすることによって起訴されないこともできる。それが捜査弁護。そこでも弁護士ができることはあるし、捕まった人にとって有利な証拠を集める弁護活動も大事だが、どうしても捜査機関の方が国のお金でやっているので有利。そこで弁護士が手弁当で逮捕後あるいは勾留後の弁護活動を一生懸命行い歴史が積み上がってきて、今は被疑者国選がほとんど全事件対象となった」
「みんな普通の人」…弁護士が語る人権保障とあるべき制度の姿
