■離脱を防ぐための取り組みと弁護士の“使命感”
当番弁護士の制度を改善するために様々な取り組みを行っているという水谷氏。その詳細について次のように語る。
「大阪のことで申し上げると、昨年度から専門のプロジェクトチームを作って、今登録している人が離脱するのを防ぐ方策と、新たに登録する人を増やすための方策を考えて、現在進行形で実行している。報酬を増額するということが非常に大きなことだから、今日弁連が全国の弁護士会に呼び掛けて、国に対して大幅な予算増額を求めるという運動を行っている」
「それと並行して大阪弁護士会でも、これは我々が自分たちの会費から作った独自の財源ベースではあるが、当番弁護士活動とかあるいはそれに続く国選弁護人活動の中で会独自として報酬を支払うとか、釈放に結びついた場合にはさらに成果報酬を支払うというような仕組みを作っている」(水谷氏、以下同)
当番弁護士の制度をより良くするために、現在報酬以外にも他の業務やワークライフバランスを加味した待機日の負担を軽減するなどして「登録の離脱」を防ぐことや、「新規を増やす」方策として、登録のための研修の要件を受けやすいものに緩和するなど、さまざまな取り組みを行っているという。
水谷氏が当番弁護士の待遇改善に奔走するのには、ある思いがある。
「私は使命感というか『やるべき』という感覚で仕事をしているつもりだが、勾留の取り消し請求とか勾留決定に対する不服申し立て、準抗告というが。例えば、そういう申し立てが功を奏して、実際に突然拘束されていた人が釈放されて家に帰ることができた、あるいは取り調べを通じて最終的に刑事処分を受けることなく起訴処分で終わったといった場合には、やりがい・喜びというよりは『なすべきことがきちんとできた』という意味での使命感を感じることはある」
冤罪につながるリスク…当番弁護士がいないとどうなる?
