報酬は弁護士会の“手弁当”担い手不足が加速する当番弁護士…「国が報酬を」「担い手減少で冤罪、行為以上の過剰な処罰のリスク」弁護士が危機感訴え

わたしとニュース
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■「人権と生活の安全保障のために国が報酬を」

 水谷氏の「社会のインフラ」という見解を受けて、三輪氏も同調。その上で、登録弁護士に対する報酬は国が担うべきだと主張する。

「お金がある・ないにかかわらず、すぐに弁護士に依頼できる制度を誰が維持しなきゃいけないのかという問題。そこで、自己責任論というのは違うと思っている。逮捕や勾留、その後の裁判は全部国の作用。その国の作用の中で、人間がやることだからミスも生じる。そこで身柄拘束や罰を課すことは人権侵害。その人の人権を守ることこそ、国の制度の中の1つの仕組み。国がミスをするかもしれないから、信頼できるものにするためには、国と対峙する人にもきちんと国が報酬を払うべきだと思う」(三輪氏、以下同)

 さらに、当番弁護士の運用が難しくなった場合のリスクについても言及する。

「冤罪のリスクだけでない。“社会とつなぐ”ということもすごく大事だと思う。逮捕された人が孤独になってしまう、この社会は誰も自分の味方をしてくれないという思いを、この制度によって抱かせてしまうのも違う」

「また、捜査側の主張のみに従った刑罰を課せられるとすると、被疑者・被告人にとって有利な事情が何もわからないまま刑を重ねることになる。それって本当にフェアな仕組みですか?と。フェアな刑事司法を確立するためには、一方当事者のみの主張ではなく、反対側の立場に立った人もしっかりといろいろな事情を収集することが大事だと思う」

 しかし、過去5年間で平均しておよそ4万件近く受付がある中、当番弁護士の登録者数は減少している。

「これは本当に危機的状況で、弁護士の数は増えているのに、当番弁護士をやる人は減っている。正直、私もこういう事態に陥るとまでは思っていなかったので、もっと何かしなきゃいけない」

 たくさんの人を救うために作られた制度であるにもかかわらず、国からの手当てが十分ではない現状に、三輪氏は苦言を呈する。

「法律が改正されるときに立法事実が必要だという話はよく聞くと思うが、これがまさに立法事実。毎年これだけの人が弁護士を求めている。そこに国として手当てをしてくださいということと、その後の被疑者国選、被告人国選の報酬をあげてくださいということ。正直、司法は国からなかなかお金が来ない分野で、裁判所もお金をもらうことが苦手なのかなというのはある。自由を守るためのこの国の司法、自由保障っていう風に言われますけど、そこにお金が来ないことは、司法に携わる人や司法にかけられる人たちの自由がどんどん小さくなっていくこと。だから、国家的な安全保障だけでなく、生活の安全保障のために『もっとお金をください』というのは声高に言っていいと思う」

 人権を守るという使命感でなんとか保たれている「司法の救急車」。適切な予算配分がなされ、持続可能な制度として守られていくよう、社会全体で声を上げていく必要があるようだ。

(『わたしとニュース』より)

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