10日、衆議院財務金融委員会において、ゴールドマン・サックス証券出身で中道改革連合の岡本三成議員が暗号資産に関わる詐欺について質問を行った。岡本議員は、2段階認証を設定していたにもかかわらずビットコインが盗まれたという最新のハッキング被害の相談事例を挙げ、国会で注意を呼びかけた。
【映像】元ゴールドマン・サックス議員が明かすビットコイン盗難の手口
紹介された事案は、まず本人のGoogleアカウントが乗っ取られ、ログインIDとパスワードが盗まれたことから始まったという。2段階認証を設定していたものの、Googleオーセンティケーターのクラウド(アカウントの同期・バックアップ機能)を通じて認証の鍵まで奪われてしまった。さらにパスキーが未設定だったため、攻撃者が自らパスキーを登録して別の口座へ送金してしまったという。岡本議員は、出金時の本人確認をログイン経路とは独立した手段で行うことや、新しい送金アドレス登録時の時間差ロック、送金先をあらかじめ登録したアドレスに限るホワイトリストの導入といった工夫が必要だと指摘した。これに関連し、岡本議員は金融庁に対し、最近の乗っ取りや不正送金事案の件数把握について質問した。
金融庁の堀本善雄総合政策局長は、今年1月以降、フィッシング詐欺等により第三者がIDやパスワード等を悪用した不正取引の件数を四半期ごとに報告することを求めていると説明。令和8年の1月から3月における全暗号資産交換業者での不正取引の件数は合計150件に上ることを明かした。
続いて岡本議員は、被害者が事業者から「情報を盗まれたのは利用者の責任で保証義務はない」と言われた点を挙げ、ネットバンキングにおいて利用者に過失がなければ原則として銀行が保証している仕組みと比較。キャッシュか投資商品かによってスタンダードが異なる点を問題視し、事業者へのある程度の保証検討について片山さつき金融担当大臣に答弁を求めた。片山大臣は、現状の不正アクセスに関する保証は各事業者において個別の事情を勘案しながら検討すべき整理になっていると回答。被害者の状況理解や事業者へのモニタリング・助言は行うとしつつも、ビジネスが発展途上であるため、現時点で一般ルールの設定までは難しいとの認識を示した。
最後に岡本議員は、日本国内でも政治家の名前を冠したトークンをめぐる問題が一部で報じられていることに言及。政治家は法的な問題ではなく倫理的な問題として、自身が関わるようなトークンを発行することは戒めていくべきだと主張し、市場の健全性を担保するために倫理観を高めていきたいと呼びかけて質問を締めくくった。
(ABEMA NEWS)

