12日の衆議院内閣委員会において、中道改革連合の長妻昭議員が、月刊「文藝春秋」で報じられた木原稔官房長官の秘書官の不倫・不正出張疑惑について追及した。長妻氏は、質問席からの追及のみならず、木原官房長官の答弁中にも自席から事実関係についての指摘を重ね、審議の進め方や答弁の整理などをめぐって委員会が複数回ストップする場面があった。
【映像】「マシンガン批判」&国会ストップ連発の瞬間(実際の様子)
長妻氏はまず、昨年9月11日の大阪出張における具体的な事実関係の確認を求めた。長妻氏は、現在官房長官秘書官を務める職員が、秘書官就任前の経済産業省在籍時に大阪万博関係の公費出張を行った際の話として質問を展開。当該職員が昨年9月11日に大阪のホテルに1人で宿泊すると申告して泊まったものの、ホテルには知らせず妻ではない女性と一緒に2人で宿泊したこと、2人宿泊の場合に必要な追加料金をその時点で支払わなかったこと、その後マスコミからの問い合わせを受けて5月29日になって当該ホテルに追加料金を支払ったとされる件について、「これは事実でしょうか? そして、問題はありませんでしょうか?」と事実関係と見解をただした。
これに対し、木原官房長官は、月刊「文藝春秋」の記事について「私も読んでおりまして、それは私の秘書官でございます」と認め、当該職員が経産省に勤務していた当時の話であると説明を始めた。木原氏が「当時、高市内閣発足前…」と述べたところで、長妻氏が自席から「9月11日」と指摘。木原氏はそれを受け、「現在、経産省の方で確認中ではありますけども」とした上で、予約時には1名分または1室分で申し込み、支払い時にはその申し込みに応じて支払いを行った件が数件あるとの報告を受けていると説明した。
さらに木原氏が、追加料金が発生するかどうかはホテルによって料金メニューが異なり、2人で宿泊した際には追加料金が発生する場合もあれば、変わらない場合もあると述べると、長妻氏は再び自席から「9月11日の話。事実かどうか」と重ねて指摘した。木原氏が「ルームチャージのような認識もありますので…」と答弁を続ける中、長妻氏は「委員長!」と不満を漏らすと、委員長は「経緯も必要ですから」と応じた。長妻氏が「11日を聞いている」と述べ、委員長が「ですから11日の前提として経緯を説明されている」と返すと、長妻氏は「今のは11日の話ですか?」と重ねてただした。
木原氏は「調査中でありまして」とした上で、当該職員からの報告として、1回分は追加料金が発生しないことを確認したが、もう1回分については2名で宿泊すると追加料金が発生することを認識したため、後日私費で支払ったとし、「いずれのホテルとの間でも精算関係は適正に終了したと聞いております」と答弁した。この答弁に対し、長妻氏が「9月11日の話。ちょっと一回止めてください」と求め、委員長が「速記を止めてください」と審議の中断を宣告した。長妻氏は自席から「全く答弁してないよ」と批判した。
審議再開後、木原氏は、この日の委員会に政府参考人登録がされていないため経済産業省内で調査中であるとした上で、「今報告届いているのは、令和7年9月11日はホテルで朝まで知人と過ごしたということを聞いております。私の聞いてるのは以上でございます」と述べた。長妻氏が自席から「追加料金」とさらに追及すると、木原氏は「もうそれ以上の情報は、すいません、今は持っておりません。私の手元にはまだ届いておりません」としつつ、「ただ、9月11日はホテルで朝まで知人女性といたという報告を受けております」と答弁した。
長妻氏は「これ、話が昨日聞いてるのと違いますね」と指摘。9月11日に追加料金が必要であったにもかかわらず支払わなかった事実について、木原氏が答弁できるよう情報共有を2日前から何度も繰り返し求めていたと言及し、「これ政府の怠慢じゃないですか?」と述べた。その上で、その時点において追加料金を支払わなかった事実はあったのかと改めてただした。
木原氏は「今日は参考人を登録していただいてないんですけど」と前置きし、今この場で確認させた結果として「9月11日については、その場ではお支払いをしておりませんが、後日精算したと報告を受けたところでございます」と説明した。長妻氏が、その後日支払った日付がマスコミの取材があった後の5月29日であるのは事実かと確認を求めると、木原氏は「経産省が本人に聴取したところによれば、雑誌からの取材依頼を契機に支払うべき追加料金があったのではないかと、そのように本人が思いまして、事情をホテルに説明をし、追加料金が必要なケースだということでお支払いしたと、そのように報告を受けました」と説明した。
続いて長妻氏は、法務省の見解として、1人で泊まると偽って追加料金を支払わない行為は罪に当たり得ること、また厚生労働省の管轄である旅館業法においても宿泊人数の虚偽申請は問題になり得ることを提示。その上で、宿泊前に当該女性からメッセージアプリで「一緒に宿泊して大丈夫なのか?」という趣旨の問い合わせがあり、秘書官が「公務のために宿泊しただけです」と返答したとされるやり取りが事実かどうかをただした。
この問いに答えるべく、木原氏が自席で情報共有を受けると長妻氏は自席から「これ、ちゃんと共有してないじゃん、昨日言ってんのに。秘書官だよ? 官房長官の」と指摘。木原氏が「冒頭申し上げましたように、その今回の事案の大層は経産省時代の勤務でありますので…」と答弁すると、長妻氏は自席から「今秘書官じゃない。あなた監督者でしょ?」と重ねて発言した。木原氏が「現在…」、長妻氏が「現在はそうだけども過去のことで…」、木原氏が「当時の、当時のことでございますので…」と言葉を交わす中、自席からの発言を繰り返す長妻氏に委員長が「答弁の際は…」と交通整理を試みた。木原氏がさらに「大層は経産省時代のことであり、私の手元には…」と述べ、長妻氏が自席から「共有して…」と発言した。
木原氏は「ホテルの領収書であるとか、そういうのはありませんので、経産省において聞き取りを行っております」とし、本人が「宿泊した時点においては2人分の宿泊料金が不要であると考えていた」と説明していることを報告。ルームチャージとして2人分ではない場合もあるという認識から、不要と考えていたと聞いていると説明した。長妻氏が「メッセージアプリの件ですよ」と再度ただすと、木原氏は「メッセージアプリの件はまだ報告を受けておりません」と回答した。長妻氏は「本当に他人事ですね。これ、秘書官ですよ、今、官房長官の。しかも去年の話ですよ。このまま続けさせるんでしょうか?」と述べ、木原氏が当事者として関心を持つべきだと指摘した。
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