サッカーW杯が開幕 アメリカはイラン代表に「行動制限」も…揺らぐ中立性

サッカーW杯が開幕 アメリカはイラン代表に「行動制限」も…揺らぐ中立性
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 日本時間の12日未明、FIFAワールドカップ2026北中米大会が開幕。開催国アメリカがイラン選手の行動を制限し、イランサポーター向けのチケットを取り消すなど、ワールドカップの中立性が揺らいでいる。また、今大会の決勝で初めて「ハーフタイムショー」が開かれるなど、新たな形が示されようとしている。まずは、イランチームへの対応について見ていく。

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イランサポーターを“締め出し”

 開幕前からゴタゴタが続いていた。その背景には、国際紛争の当事国であるアメリカとイランの間で起きた2つの問題がある。

W杯北中米大会開幕前から問題も
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 まず、イラン代表チームのアメリカ入国ビザ問題。イラン側は6日、選手と一部スタッフに“特殊なビザ”が与えられたと発表した。試合当日、会場があるアメリカに入国できるが、試合後、すみやかに拠点があるメキシコに出国しなければならない。試合当日に入国し、試合後すぐ出国する“日帰り扱い”になるということだ。ただ、開幕直前になって、ようやく選手は試合前日に入国できることになった。

 もう一つは、イラン・サポーターのチケット取り消し問題。FIFA=国際サッカー連盟は、今大会の出場48カ国の連盟に一定数のチケットを割り当てているが、イラン向けのチケット、3試合分・1万枚以上を取り消した。つまり、イランサポーターが“締め出し”状態となった。

 ただ過去には、政治的な対立を超えて両国の選手が親交を深める場面があった。それが、1998年のフランス大会だ。

 イラン革命が起きた1979年以降、両国は外交関係が断絶状態で、険悪な関係に。そのため、CNNによると、イラン政府は代表選手らに「アメリカ代表チームと握手してはならない」と指示していたという。

 しかし、イランチームは試合前、アメリカチームに“平和の象徴”とされる白い薔薇の花束を贈呈。さらに両チームで記念撮影するなど、友好ムードで試合が行われた。

トランプ氏とFIFAの「蜜月」

 FIFAは近年、トランプ大統領と親密な関係を築いてきたという。

FIFAとトランプ大統領の親密な関係
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 “蜜月関係”とも言われているのが、トランプ大統領とFIFAのインファンティーノ会長だ。まず、2018年、トランプ大統領の第1期政権時、今回のワールドカップの開催地が北中米に決定した。

 また去年、第2期政権での大統領就任式では、トランプ大統領の少し後ろにインファンティーノ会長の姿も見られたことなどから、非常に近い関係である。

 そして、トランプ大統領といえば、かねてからノーベル平和賞の受賞を熱望してきたが、インファンティーノ会長は自身のSNSに去年10月、「トランプ大統領の断固たる行動は間違いなくノーベル平和賞に値します」と投稿。さらに、「FIFA平和賞」というものを初めて創設。去年12月に、この賞をトランプ大統領に授与した。

 すると、トランプ大統領は受賞後のスピーチで、「(この賞の受賞は)私の人生における偉大な栄誉の1つだ」とリップサービスとも取れるようなコメントを述べた。

チケット高騰 関係に変化?

 しかし、今大会の開催を前に、両者の間に隔たりが指摘されているという。きっかけとなったのが、高騰するW杯のチケット価格だ。FIFAは今大会から、需給に応じてチケット価格が変動する「ダイナミック・プライシング」という制度を導入した。

チケット高騰による問題
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 すると、FIFAの公式HPでは、決勝戦のチケットにおよそ260万円の値がつけられた。また、「ニューヨーク・ポスト」によると、グループリーグのアメリカ初戦のチケットがおよそ16万円であることについて、トランプ大統領はインタビューで「正直言って、私だったらそんなカネを払ってまで行く気にはなれないね」と懸念を示した。

 発言の背景には何があるのだろうか。フォーブスによると、ある推計ではワールドカップ期間中、124万人の海外旅行客がアメリカを訪れ、その観光支出額は1兆円を超えるという。

 ただ、アメリカ国内のホテル需要はどうだろうか。全米ホテル・宿泊施設協会によると、ワールドカップ開催都市のホテル事業者のおよそ80%が、予約は予想を下回っていると回答。

 さらに、航空運賃は高止まり、為替は米ドル高、移民管理政策の影響によるビザが発給されないことへの懸念などもあり、海外の観光客が二の足を踏んでいる可能性がある。

米国でサッカー人気↑

 今、アメリカでは、サッカー人気が急上昇している。

サッカーが人気になった背景
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 アメリカの「4大スポーツ」と言えば、アメリカンフットボール、バスケットボール、野球、アイスホッケーで、長らく“サッカー不毛の地”とも言われてきた。しかし、1994年、アメリカ大会開催を機に、北米プロサッカーリーグ「メジャーリーグ・サッカー」が開幕。

 その後、2007年、デビッド・ベッカム選手がこのメジャーリーグ・サッカーに移籍。近年も、リオネル・メッシ選手、元ドイツ代表のトーマス・ミュラー選手らといった大物選手も相次いで移籍した。

 アメリカの調査会社「ギャラップ」が2023年に発表した世論調査によると、「観戦したいスポーツ」で、アメリカンフットボール、野球、バスケットボールに次いで、4番目に人気だったのがサッカーだった。アイスホッケーを上回ったのだ。

 このように、サッカーが新たなアメリカの人気スポーツとして認められるようになった。

 そして迎えた今大会。その収益は、過去最大になりそうだという。イギリスのガーディアンなどによると、前回カタール大会後の2023年から今年2026年までのFIFAの予想収益は、2兆900億円。今大会は、過去最大収益のスポーツイベントになる見込みだという。

巨額収益の行方は

W杯収益どう使われる?
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 では、その収益はどう使われるのか?まず、各国のサッカー協会に支払われる。今大会の優勝賞金は、
過去最高のおよそ80億円。また、グループリーグ敗退でも、およそ17億円が支払われる。

 さらに、補償金が選手が所属するクラブチームにも還元される。選手1人につき、1日およそ80万円。
もし決勝まで進めば、およそ1人につき4500万円が支払われることになる。

 また、FIFAは2016年以降、アフリカ諸国に1600億円以上を投資し、サッカー場などの環境整備や選手の能力開発を行ってきた。さらに、国ごとに違っていた国外への移籍ルールを統一。アフリカの選手が欧州などに移籍しやすいシステムを作った。

 そうしたこともあり、日本がグループリーグ第2戦で戦うチュニジア代表は、登録選手26人のうち20人が現在、欧州など国外のクラブに所属。アフリカ全体のサッカーのレベルが底上げされてきている。

(2026年6月12日放送分より)

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