■様々なシーンで「言い返せない」ことがストレスに
番組では、日々の生活で言い返せずに悩む当事者のリアルな実態が紹介された。IT企業に勤務する30代のイシダさんは、強い口調で過剰な業務のお願いや批判をされた際、とっさに言い返せず仕事が増えたり、ミスを押し付けられたりする経験があると明かした。言われた瞬間は「自分が間違っているのではないかと真っ先に疑ってしまう」ため、考えている間に10秒ほどの空白が生まれ、うまく反論ができないという。
さらに「仕事上だと、スピードと丁寧さなど両立しないことについて自分の軸があまりなく、相手の基準や価値観に合わせてしまう」と自己分析。また、「最近マネージャーに昇進したこともあって、なるべく部下にミスの責任が押し付けられないように頑張って言い返してみたりもするが、空回りしてしまって、冷ややかな目で見られてしまうこともある」と苦悩を口にした。
福祉施設職員の20代のモリさんは、電車内で自身が体調不良で座っていたにもかかわらず、「後から乗ってきたお年寄りに『席譲れよ』と言われて、その時は言い返せなかった。家に帰って『自分も体調が悪かったのに』と、後から反論の言葉が出てきて、お風呂で『1人反省会』をしている時がある」と振り返った。
番組がSNS等で集めた声でも、「過去に友人に言い返して疎遠になった経験から言い返せなくなった」「『自分さえ我慢すれば良い』と思考停止に陥っている」「説明したところでどうせ分かり合えないと諦めている」など、波風を立てまいとする現代特有の閉塞感が浮き彫りになった。
■精神科医による「言い返す技術」、僧侶による「言い返さない優しさ」
