22日、愛媛県の中村時広知事は記者団の取材に応じ、県が開発したかんきつ新品種「紅プリンセス」が中国へ流出した疑いがある問題について、国と県が一体となって調査に取り組む方針を示した。
中村知事はまず、農林水産省への要請について「ルール上から言えば、県が調査をしっかりやるということは最低条件。ただ今回は国境を越えて、しかも中国という国との問題。これまでもいろんな品種の問題が出てきたが、我々にとっても新品種で、西日本豪雨災害からの復興のシンボル的な品種でもある。これからの将来のことを考えても、国と愛媛県が調査段階から一体となってしっかりと対応するということが、今まで以上に重要だ」と説明。「その件についてはしっかりやろうという力強い声をいただいたので、これから対応を強めていきたい」と述べた。
要望のうち特に重視するポイントを問われると、知事は「やはり実態解明だ。どういう経緯で流れていったのかを解明することは本当に大変な作業だが、進めていくのが何よりも大切だ」と答えた。
開発に携わった県職員や農家の心情について問われると、「十数年の月日、愛媛県庁のみかん研究所の職員が最高品種を必ず作り出すんだという強い思いで、一人の担当者の時代で作ったわけではなくて、いろんな世代がバトンタッチしながらたどり着いた最高傑作だ」と語った。
さらに「8年前に西日本豪雨災害が起こった時に、産地の中心地である宇和島エリアは壊滅的な打撃を受けた。長いところで10年復興までにかかるという中で、誰一人辞めることなく踏ん張り切ってくれた。その原動力となったのが、8年後に市場投入になるであろうと当時から予測できていた紅プリンセスだった。復興を乗り越えた先に紅プリンセスの栽培が始まるんだというのが本当に大きな力になっていた。それゆえに、悔しいという思いが特別強くなったという背景がある」と述べた。
その上で「まだ今この段階では実態が解明できていないので、本当にごく少数の人がこういう問題を引き起こしていると思う。そこを解明したいという強い気持ちがある」と語った。
国境を越えた事案の難しさを指摘
