■26年越しの逮捕、ネットの誹謗中傷で新たに負った傷
2025年10月31日、高羽さんに警察から連絡が入る。「14時に西署に着いたら突然犯人が逮捕できるという話で。そこからは激動の1日だった」。
逮捕されたのは安福久美子容疑者(69)。現場に残されたDNAが決め手となった。高羽さんによると、高校の同級生で過去に好意を寄せられたこともあったという。
26年越しの逮捕。高羽さんは地元の消防団の詰所でメディアの取材に応じた。「ほっとした。容疑者がわかっている被害者になったことがないから。容疑者がわかっている人はどう思うんだろうとずっと思ってきて、実際に自分がなってみたら全然実感がない」。
逮捕によって生じた、新たな不安。「残念ながら自分の関係者だった。これから僕はネットで叩かれるんじゃないかと心配。週刊誌的には面白いじゃないですか。高校の同級生で部活まで一緒だったら。夫が声を掛けたりして、優柔不断だったからって絶対叩かれると思う」。
60歳を前に不動産会社を退職した高羽さん。いまは町内会会長を引き受け、登下校時の見守り活動が日課になっている。
容疑者が逮捕された翌日。この日は、行きつけの喫茶店でご近所さんとモーニング。
「でも、よかったね」(近所の女性)
「ほっとしました」(高羽さん)
「複雑だったけどね。同級生?という感じで。まさかのね…」(近所の男性)
「(容疑者が)捕まった時、ええってすごいびっくりで。でもよかったというか執念というか、悟会長のすごさをまじまじと感じさせていただきました」(近所の女性)
「普段は変なおじさんですからね。変なというか愉快な良いおじさんですから。いつもテレビで見るような真剣な顔はまず見たことないですから。会長こんな顔してるんだって」(近所の男性)
高羽さんの両親は既に他界。息子の航平さんも6年前、就職を機に東京で暮らし始めた。食事は自炊が基本だ。
「毎週、夜はほとんどおでん、鍋、鍋、おでん、鍋、鍋…。完全に週に5日か6日は鍋。その方が楽だもん。いろいろなもの作りたくないし」「(Q.どうですか?お味は?)ベリーグッド」
職場恋愛で結婚した高羽さん。以来、結婚指輪は付けたまま。「(Q.指輪の話になりますけどずっと付けているんですよね?)ずっと付けているから別に外す理由もないし。外したら絶対なくすもんね、というかしまったところを忘れるもんね」。
容疑者逮捕後、インターネットには様々な書き込みがあった。「犯人は旦那だよ」「やっぱり昔ふたりのあいだにいろいろあったんだな」「振った方はすぐ忘れるけど、振られた方は忘れられない」「ここまで覚えているのであれば、もっと早く気づけるのでは?自分に強い好意を持った女性なので、動機が十分すぎますね」「旦那さんなんか変だ!! 笑いをこらえたニヤケ顔 犯人に気を持たせる様な何かあったんじゃないか、昔!!」。
高羽さんはネット上の書き込みを見てこう話す。「『被害者である奥さんとは不倫の末の結婚だったとありましたが、事実ならこちらも問題ないとは言えませんね』…めちゃめちゃだ、何を知っているの?俺の。これから裁判したって叩くんだよね、結局。被害者でも、金が欲しいんだろう、みたいなことを平気で書いてくるから。それは覚悟している」。
黙秘を続ける容疑者と、遺族が挑む「民事訴訟の時効」という壁
