しかし、この日の木村九段は別次元にいた。実況解説を務める戸辺誠七段(39)は、「木村九段は結構低いですよね。私が見る限りでは、このランクの数字は見たことがない。80を切る勢いで下がってきていますね」と実況。「あーっと!80を切りましたよ?リラックスしてるんですかね?」と、激闘の最中とは思えない数値に驚きを隠せなかった。
この事態に、北関東の控室も釘付けとなった。モニターを見つめていた藤井竜王・名人は、79bpmという驚異的な数値を叩き出した木村九段の心拍数に注目し、「すごい落ち着いてますね」とメンバーに語りかけた。すると、チーム監督の羽生善治九段(55)も「なんかどんどん下がってきてますよね、始まった時より(笑)」と笑顔で応じる。
さらに、佐藤天彦九段(38)が「こんなに低いんですね」と感嘆すれば、三枚堂達也七段(32)は「一番上は無理だと思って、一番下を狙っているのでは?」と冗談交じりに推測し、佐藤九段も「確かに一番下は有力(笑)」と笑い合うなど、終始和やかなムードに包まれた。これまでには、対局中に170bpmを超えたTDIルシーグ横浜の斎藤明日斗六段(27)が“心拍王”として話題をさらっていたが、木村九段はまさにその対極を行く“逆・心拍王”として強烈なインパクトを残した。
驚異の冷静さで対局を優位に進めていると思われていた木村九段だったが、盤上の結末には劇的なドラマが待っていた。終盤戦、劣勢と見られていた藤本七段が若きエースたる所以とも言える驚異的な粘り強さを発揮する。怒涛の反撃を見せると、最後は入玉を果たした木村玉を見事に捕らえて見せ、大逆転勝利でチームに貴重な2勝目をもたらした。盤上の大熱戦と盤外の心拍数ドラマが交錯した一局に、ファンからも「かしげる聡太かわいい」「心拍数おじさんw」「おじおじ凄い」「一番下けっこう有力w」「狙えるならすげーよ」「ランニング効果」「おじおじ落ち着いてるんだなあ」「逆に心配だわ」「聡太が楽しそうでなにより」と興奮や感嘆のコメントが殺到し、大きな盛り上がりを見せていた。
◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロックに分け、全8チームによって競う団体戦。各チームは監督1名とドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成される。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出。試合は5本先取の9本勝負で、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。今大会より「先手番入札制度」を採用。対局開始前に持ち時間を「競り」にかけ、提示した時間がそのまま対局時の持ち時間からマイナスされる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


