■コスト増が直撃する個人飲食店の現実
東京・神田の「居酒屋ちぇけ」店主の豊田千木良氏は、今月末で1階フロアを閉鎖し規模縮小を決断した。その理由として挙げたのが、家賃の急激な値上げだ。「更新のタイミングで月々5万円ほど上がることになった。1階は立ち飲みをやっていたが、採算が難しいということで、売れている3階を残して規模を縮小することになった」と明かす。
フードジャーナリストの山路力也氏は、個人飲食店の現状について「全てにおいてコスト増だ。原材料費、人件費、光熱費、全てが上がっている。そのコスト増分を値上げで転嫁すればいいのだが、なかなか踏み切れないところから利益が目減りし、倒産につながっている」と説明。
豊田氏の店では常時600〜800種類の日本酒を揃え、スタッフも日本酒に精通した人材を正社員やアルバイトで確保しているため、立ち飲みながら人件費がかかる構造になっている。物価上昇分の価格転嫁については「どうしても一気に値上げというところにまだ踏み切れていない。常連さんもいるので、なるべく抑えたいという思いがある」と語る。
■「消費者は価格を覚えていない」値上げの心理的ブロック
