■20歳で直面した母の異変、包丁を持ち出す父との喧嘩…そして「東京での2人暮らし」の決意
「今は母が寝たきりの状態になっていて、デイサービスやショートステイが体力的に厳しい状況にあるので、ほとんど自宅で寝ている状態です」そう語るのは22年間、認知症の母親の介護をしている岩佐。 母が同じ会話を何度も繰り返すようになったのは、岩佐が20歳、母が55歳の時だった。
「料理を作っているのに、途中で何を作っていたかが分からなくなって、その工程がこなせないとか。電子レンジもどこを押せばいいのかも分からなくなってきて」(岩佐、以下同)
当時、岩佐は東京、両親は大阪で暮らしていた。父親は母親の認知症をなかなか受け入れられなかったそう。
「母の物忘れに対して怒るとか、よく喧嘩をしていました。ひどい時は包丁まで持ち出して…」
アナウンサーの仕事を始めたばかりだった岩佐。不安定な状況の中で、離れて暮らす両親への悩みも尽きなかった。
「自分のことを一生懸命考えなきゃいけないのにもかかわらず、父からSOSの電話がかかってきて、大阪に帰ってきてほしいとか。泣きながら母から電話がかかってきて助けてほしいとか。私の人生はなんでこんなに辛いんだろうなって…。まだ若かったので、友達も介護のことなんかさっぱり分からないし。言えなかったですね。一人で抱えてました」
そんな中、両親の関係は悪化する一方。岩佐はついに東京で母親と2人で暮らすことを決意した。
「死んじゃったんじゃないか」慣れない東京での徘徊、そして「絶対に文句は言わない」と誓った夜
