子どもの付き添いは“母親”?AIのバイアスから考える実社会の課題 瀧波ユカリ氏「人間社会の成熟が足りない」

わたしとニュース
(2/5) 記事の先頭へ戻る

■「付き添う親は母親、医師は男性」AIが可視化する実世界の偏見

 7月9日(日本時間)、OpenAIから新たな音声モデル「GPT-Live」がリリースされた。これによりAI分野では、文章や画像の生成だけでなく、違和感のない音声会話も可能になった。

 このように、AIの外形的な不自然さは解消されつつあるが、気になるのは導き出す回答、いわば中身の問題だ。複数の画像生成AIで「病院に付き添う親」と性別を指定せずに入力すると、出力されるのは母親の画像ばかりになり、「医師のイラスト」を作成すると男性とみられる姿が多くなる偏りが見られた。

 こうした現象について、平野氏はAIの学習メカニズムの課題を指摘する。

「AIは私たちのその世界、実世界を学習してAIができている。これまでのいろいろなデータがバイアスがかかっていると、そのAIが出力する結果というのもバイアスがかかってしまう。これは解くのがすごく難しい」(平野氏、以下同)

 これまでも社会に根付いてきた思い込みや偏見がAIの出力によってたびたび可視化されてきた。Amazonが2014年から開発してきたAIによる採用システムでは、履歴書に女性を示す言葉があると評価が下がることがわかり、その後開発チームが解散していたことが報じられた。過去の男性中心の採用実績をそのまま学習したためだった。

 また、2022年当時、広く使われるようになってきた画像生成AIでは、「テロリスト」というキーワードで画像生成を支持すると髭を蓄えた男性が並び、「CEO」というキーワードではほとんどが男性で出力された。

「AIはどうしてもその実世界の写し鏡みたいなところがあり、むしろ増幅器みたいな側面があって、私たちの世界がより増幅されているのかなという風に思います」

「修正すると別の歪みが出る」Geminiの補正が示したジレンマと多様性の模索
こんな記事も読まれています
この記事の写真をみる(5枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る