法廷で明かされた“被告の生い立ち”、下された判決は
主犯格とされた川口被告は、犯行時18歳。法廷で述べられたのはその生い立ちだった。「知能指数は、IQ58。軽度の知的障害です。軽度の難聴を抱えている」(鑑定医)。
2人の兄たちが野球で活躍する一方、川口被告は劣等感を抱えていたという。支援学級を勧められたこともあった。川口被告の母は「野球をさせたくて、高校で甲子園に行きたいと、聞いていたので……(普通学級に)そのままにしました」と説明する。
高校は1年で中退。家庭では、母親が自殺をはかったことも。そのとき、母親を支えたのが、川口被告だったと証言した。「精神的に、私がいつ死ぬか分からない状態で、侑斗がずっと私の面倒をみていました」。
鑑定医は「劣等感を暴力で解消する。“集団モード”の中で、いつもの彼のパターンが出た」と見る。
公判では、川口被告が“主犯”だったのかが争われた。検察官が「川口侑斗が終始主導した。極めて苛烈で責任を減じる事情はない」とする一方、弁護側は「継続して、リーダーだったかは疑問。『もういいべ』と、止めようとした場面もある」とした。
「息子の身勝手な行動で、被害者さんの大切な命、人生、すべてを奪ってしまい、取り返しのつかないことをして、申し訳ございませんでした」(川口被告の母)
川口被告自身もこう述べていた。「許されるなら現場に行って、心から手を合わせたい」。
だが判決は、その反省がまだ罪の深さに届いていないと見た。
“更生”について鑑定医は、こう語った。「簡単にできるとは言えない。謝罪することが更生ではなく、自分のなかで理解したことを相手に説明できることが更生であり、相手遺族に対して説明するプロセスが大事。説明責任はどうしても必要」。
2026年8月7日、札幌地裁は「被告人川口侑斗を無期懲役に。被告人A(当時17歳)を、懲役30年に処する。強盗致死を含む事案の中でも、最も悪質な部類。暴行態様は虐待的・拷問的であった」との判決を下した。
八木原被告との交際を、被害者はうれしそうに話していた
