■「夜になるとお酒に酔った父親が暴れていた」当事者が語る家庭の実態
今回、当事者として声を上げたのが、幼少期から父親に性的虐待を受けてきたカナさん(20代・仮名)だ。一見、何不自由なく見える家庭で育ったが、家庭の中では父親からの身体的暴力が日常的にあり、9歳の頃から性的な被害が始まった。15歳の時には妊娠が発覚し、独りで抱え込んだ末に中絶手術を経験。その後もオーバードーズやリストカットを繰り返し、自殺未遂にまで至った。学校、児童相談所、警察と複数の機関に相談したが、いずれも信じてもらえなかったという。
当時の状況について、「アルコール依存症の父親がいて、幼少期から身体的な暴力はずっとあった。9歳くらいになると急に体を触られるようになって、その後、性行為を無理やりされるようになった」「夜になるとお酒に酔った父親が暴力を振るってきたり、リビングで暴れていたので、とにかく夜が怖かった」と振り返る。
母親は父親のDVを受けるストレスから、カナさんへ暴力の矛先を向けるようになっていったという。さらに、「母親が海外に仕事で行くことが多く、ほとんど家に帰ってこない状況だったので、母親にはなかなか相談することができなかった」と話す。
15歳の高校1年の時に体に違和感を覚え、インターネットで調べると妊娠の可能性に気づいた。「頭が真っ白になった。どうしたらいいかがわからなくて」と当時を振り返るカナさん。妊娠の相手は、性的虐待を繰り返してきた実の父親だった。父親に事実を告げると、「なんで妊娠したのか、なんでちゃんと薬を飲んでいなかったのか」と怒鳴られ、殴られたという。「父親も当時パニックになっていたのと、お酒も飲んでいた。ストレスのサンドバッグとして私は使われていたので、怒鳴られる形になった」。当時、母親は仕事で海外にいたため、妊娠も中絶も今に至るまで知らない。
■「信じてもらえなかった」——学校・児童相談所・警察、相談を繰り返した末に
