■「信じてもらえなかった」——学校・児童相談所・警察、相談を繰り返した末に
カナさんは6歳の頃から学校の先生に相談を試みたが、「両親がいる、ちゃんとした職業についている、ということもあって信じてもらえなかった」と語る。自ら児童相談所に電話した際も、「家庭訪問に来たことがあったが、家の中が片付いているということもあって、虐待するような親には見えない。『良いご両親ですね』と言われた」。
14歳の頃に家出をしたところ、親が捜索願を出して警察に保護された。取調室で性的被害を受けていることを話したが、「信じてもらえなかっただけでなく、どういうことをされたのかを警察官の目の前で再現しないと信用できないと言われ、そのまま自宅に返された」という。
こうした状況を受け、児童精神専門医の古橋功一氏は、「カナさんが経験されたこと(学校・児相・警察への相談)は本当に残念な対応だったと思う。近年、各機関で子どもの性暴力被害・性的虐待に対する知識や対応をきちっとしなければならないという動きが進んでいて、私の感覚ではこの5年ぐらいでそういった話はあまり聞かなくなってきた。ただ実際のところ、担当者によっては残念な対応をされてしまうケースはまだなくなっていない」と実態を述べる。
古橋氏は自身の立場についても言及し、「私は医者なので、不適切な対応をされたら警察でも児童相談所でも学校でも電話して、『医者から見てこれは虐待です、性的暴力被害がありますからきちっと対処してください』と申し入れをして対処することはやっている。しかし子どもがご自身で行くとなると、なかなかまだ信頼してもらえないという状況がある」と説明する。
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