被害者は“やり手の実業家”、依頼主は長女の内縁の夫
栃木・那須町の河川敷。ここで2人の焼死体が見つかった。2024年4月16日の朝、全身が焼けていた。手は結束バンドで縛られ、顔には粘着テープが巻かれていた。死因は頚部圧迫による窒息死、妻のほうは頭蓋骨に複数の骨折があった。
遺体発見から数日後、秋山氏は現場を訪れていた。「これが現場。焼けてない?焼けとるやろ?この辺りの木でも一部しか焼けていない。人間の体はそんなに燃えて骨だけになることはない。人間の体は水分がほとんど」。この時点では、まだ被害者の身元は割れていなかった。それほどの損傷だった。
そしてその遺体は、宝島龍太郎さんと、妻の幸子さんであることが判明する。夫妻は上野の一角で焼肉店や居酒屋などを経営するやり手の実業家だった。
宝島さんを知る元従業員は、「お店を回って何をしていた?」の質問に「大体、集金と会社での指示。集金はほぼ毎日。ずっと怖いなと思っていた。毎日毎日こんな大金を……十何店舗あるから何百万円」と振り返る。
実は、2人が殺されたのは那須ではなかった。犯行現場は、東京・品川区にある空き家1階のガレージ。そこから車で那須まで運ばれ、ガソリンをかけて焼かれた。
この事件で逮捕され起訴されたのは7人。殺害を依頼したとされるのが、夫妻の長女の、内縁の夫である関根誠端被告(当時32)。その長女、宝島真奈美被告も、のちに殺人の疑いで逮捕される。
出頭した人物は「依頼者」も「被害者」も知らなかった
