渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)はここ2年間苦しんでいる。2020-21シーズンから2023-24シーズンまで4年連続で3ケタのプラスポイントを記録するも、2024-25シーズンは▲426.6ポイント、昨期は個人34位(▲293.7ポイント)という成績に終わった。チームも初めてのレギュラーシーズン敗退を味わった。今期は「借りを返したい気持ちはすごく強い」と語り、チームの目標は「圧倒的に勝つ」ことだ。松本は“負けない”ではなく“勝つこと”だけにこだわる。
―昨年の振り返りから。
レギュラーシーズン敗退は、はっきり言って自分のせいだと言っても過言ではないと思います。チーム全体のポイントなので、チームメイトはそう言わないですけども、僕が勝っていれば少なくともセミファイナルシリーズまで進めた可能性は大いにあったと思います。
8年間もチームとしてやっていたら、誰かが負けて、誰かが勝つシーズンは当然あると思いますが、昨期は、もうちょっとマイナスポイントは減らせたと思います。『塵も積もれば』じゃないですが、マイナスを5ポイントずつ減らして、プラスに押し上げられることはできたかなと。毎年痛感しますが、やはり日々の積み重ねが大事で、1試合1試合、微妙な差で落としていたポイントが最終的にレギュラーシーズン敗退に直結したと思います。
―細部のことが大きなマイナスに繋がってしまったか。
そうですね。ただ、麻雀は勝っている時は、自分のミスとかに気づきにくいゲームです。例えば“何切る”の選択でミスっても、むしろミスったことでアガれることもあります。
レギュラーシーズンで負けたからこそ、『塵も積もれば』のポイントが大きかったことに僕らは気づけたと思っています。これからまた戦いを始める上で、チームの糧になりました。1試合1試合の微妙なマイナスポイントの部分を全部叩き潰そうという意識がチーム全員に芽生えています。悔しい負け方はしましたが、経験してよかった負けだったとも思います。
―開幕に向けて練習時間は。
誰にも負けないぐらい練習している自信はあります。ただ、チームメイトに「俺、めっちゃ練習しているよ」と言うつもりありません。練習をしているのはあくまで自分のためであって、そしてチームのため。加えて、当然レギュレーション(選手入れ替え規定)にかかるかもしれないシーズンなので、状況次第では怖い気持ちが4人の中に生まれると思います。
その怖い気持ちに襲われないためには、練習して強くなって結果を残す以外の道はありません。自宅に麻雀卓を買って、夜な夜な牌に触る日を設けたし、ネットで勉強会をすることもあります。常にMリーグを想定した麻雀を打っていますし、今すぐ開幕しても大丈夫なくらい練習をしています。
―初めてレギュレーションを意識するシーズンに挑む。心境は違うものか。
当事者になってからといって、何か変わったとかは正直ないです。ただ、例えばチームが12月ぐらいで▲300ポイントとかになった場合、初めてみんなの心境に変化が訪れると思います。今はたぶん、現実感がないんですよ。自分たちはやれると思っていますし、圧倒的に勝つつもりでいくので。
なので僕は、▲300ポイントになった時のことを想定しています。自分がマイナスになった、誰かがマイナスになった、チームがマイナスになった時にどういう心持ちでいなくてはいけないのか、準備をしなければいけない。レギュレーションに引っかかる可能性は怖いですけど、ただそれによって麻雀がブレるようではいけないと思います。
塚本(泰隆)監督は「強いABEMASが戻ってきたと印象付ける、圧倒的に勝つシーズンにしないとダメ」と言っていましたが、僕の中にもその気持ちはすごくあります。負けないようにする麻雀は勝てないんですよ。負けないだけなら、ラス回避賞は取れると思います。だから、「負けないように」という気持ちは持たず、「勝つためにどうすればいいか」だけを考える。これを今期の目標にしています。
―昨期はレギュラーシーズンでの敗退から閉幕式までの期間が長かった。また終盤では出番が少なかった。
僕はもともと、試合や勝ちへの飢えがすごく強い選手で、常にMリーグで戦って、戦いのエキスを浴びていたいと思うタイプです。そんな自分からすると、試合に出られない時間ははっきり言って苦痛でした。
情けない気持ちと、悔しい気持ちと、チームに何もできないという無力感が強かったです。そして多井(隆晴)、白鳥(翔)に対する申し訳なさですね。2人に重責を担わせてしまいましたから。
ただ、チームの方針は「調子のいい人を積極的に出していく」でいいと思います。それを踏まえると、結果を出す以外に、自分が試合に出場する方法はないですよね。「誰を出すか困ったな…」となった時に「松本」と指名してもらえるような麻雀の内容と成績を常に残していかないといけない。今期は開幕から好スタートを決めて、最初から最後までしっかり戦い抜きたいですね。
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