いつも朗らかな受け答えをする渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)に、昨期の振り返りを求めると、神妙な面持ちとなり、言葉は重たかった。チームが初めてレギュラーシーズンで敗退したことに責任を感じているのだ。終盤は出番も少なかった。しかし今は猛特訓を積んでいるという。「性格的に自信がない」ところを、自信をつけるために自らを追い込んでいる。ABEMASが大好きな日向は、チームを「壊さない」覚悟で、勝負の卓に臨む。
―昨年の振り返りから。個人としては31位(▲185.8ポイント)という成績だった。チームも初めてのレギュラーシーズン敗退という結果に終わった。
きつかったですね。練習して臨んだつもりでしたが、「何が足りなかったのかな」などといろいろ悩みました。いろいろやっても結果が出ないから、何かを変えた方がいいのか。はたまた“こういう時もあるから”と割り切って淡々とやるべきなのかなど、グルグルと頭の中で考えてしまうシーズンでした。
―Mリーグも創設されてから年月も立ち、対戦相手も変化している。
だいぶ変わりましたよね。そこにコミットできていなかったのかもしれない、という気持ちはあります。特に協会の方が増えたじゃないですか。今までは、どっしりと麻雀を打つタイプが多かったんですけど、今は軽快な仕掛けが多かったり、押し切る選手が増えました。
どのリーグ戦でもそうですけど、その場所に最適な打ち方を極めないといけないと思います。特にMリーグは普段、自分が戦っているリーグ戦よりも人の出入りが激しいですからね。
―最高位戦なら、最高位戦のトレンドがある。
17年間やってきた「最高位戦ルール」の中で普段は打っているんですけど、赤牌がない分、読みやすいというのもあるし、攻めやすかったりします。より相手の読みを鋭く考えなきゃいけないというラインが、Mリーグだとまたちょっと違うんです。異なる団体に所属している選手たちが戦っているので、その部分の情報などを改めて詰め込んでいかなきゃいけないかなというのは感じました。
―昨年の同時期のインタビューで日向さんは「下石戟さん(BEAST X)が活躍する」と予想し、結果MVPを獲得した。
すごいでしょう!私の読み(笑)。私、こういうのが本当向いているんです。でも下石さんは本当に強いので、そんな人があれだけ乗ったらそりゃMVP獲りますよね。
私としては永井孝典さん(EX風林火山)の方が衝撃でした。想像よりもハマっていましたね。恵まれている部分もあったとは思うんですけど、特に序盤なんていい攻めがいっぱいあって、想像していたよりも迫力がありました。あと、永井さんは前向きですよね。そこがすごく素敵だなと思います。
―新選手が躍動する中で、ABEMASはこれまで選手の入れ替えを行っていない。
どちらかと言うと、チームの雰囲気を掴めている方が絶対に良いです。長年、変わらずにやってこられていることに関しては、すごくありがたいです。私は急に集められて、すぐに「試合に出ろ」と言われても気持ちが追いつかないタイプ。これだけ一緒にいるからこそ、お互い励まし合いもしやすくなるし、「次はこうしようか」と言いやすくなる。周りのチームが変わっているからこそ、引き続き選手として使ってもらえている価値や、うれしさを感じています。
―初めて選手入れ替えのレギュレーションにかかる可能性があるシーズンになる。
私としては、昨期のレギュラーの最後の方は、試合にほぼ出られていなかったので、そのあたりから意識は変わっていました。頑張ったから、努力したからといって報われる競技ではないことは理解しているんですけど、“私が強くならなくちゃ話にならない”とすごく思いました。
これまで自分も頑張ってはきたけど、その頑張りで足りないんだったら「もっとやらなきゃいけないじゃん」が答えなんです。試合に出られなかったレギュラーシーズンの最後の方はMリーグに応援にしか行けなかったので、終わった後は深夜にセットを組みまくっていました。
麻雀を打ってくれる麻雀プロの仲間たちがいて、深夜まで打ちました。自分自身のリーグ戦もあって、いろいろなプレッシャーを感じていましたけど、「今のABEMASを終わらせたくない」という思いでひたすら打っていました。その中でも思考の至らなさを実感する日々でした。深夜、練習し過ぎて家族と朝しか会えないみたいな生活を続けています。
正直、旦那に離婚されてもおかしくないくらいのペースで麻雀を打っています(苦笑)。それでも旦那は「やりたいだけやっておいで」と言ってくれています。本当に感謝です。娘は「もともとママは忙しい人」と認識しているんですが、寂しい思いをさせないように、会えなくてもテレビ電話はしていますし、夕飯の準備をしてから、また麻雀を打ちに行っています。
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