「育てることをあきらめなかった」重度知的障がいを伴う自閉症の娘との日常をユーモアたっぷりに発信する母の願い「将来の結衣菜のために」

テレメンタリー
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■思春期の「こじらせ」と、SNSでの発信

結衣菜さん(左)虹々菜さん(右)
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 会社員の夫・哲資(てつし)さん(41)と、高校生の長女・虹々菜(ここな)さん(高2)も含めて、仲のいい蓬郷一家。ところが最近、姉妹の仲がぎくしゃくしている。

「待って!お姉ちゃん…うーん!何でそんなこと言うんだよー!」結衣菜さん
「結衣菜、何の怒り?」虹々菜さん
「怒った!」結衣菜さん
「鬼ですか?」由希絵さん
「鬼です!」「もーう!」結衣菜さん

 感情をうまく伝えられない時に、大きな声を出してしまう結衣菜さん。思春期を迎え、姉の虹々菜さんを強く意識するようになった。

 朝は姉よりも早く起きて学校へ行き、姉よりも早く晩ごはんを食べ、姉よりも早く寝る。こだわりが強い結衣菜さんは、そんな生活を1年近く続けている。

「めっちゃ寂しい、虹々菜は…寂しいけど思春期じゃけん、仕方ないかなって感じ」(虹々菜さん)

 「虹々菜はいじわるなんか、大っ嫌いなんだよ!」と言う結衣菜さん。時には手が出てしまうこともある。

「靴下取りにいっただけなのに…くそったれ」虹々菜さん

「くそったれだよな、意味分からん、とりあえず距離取ろう」由希絵さん

「遊びに行くって言っていたのにいつ行くんだろうとか、虹々菜の動きがめちゃくちゃ気になる…」由希絵さん

 すると結衣菜さんが虹々菜さんのもとへやって来て「ごめんなさい…」とつぶやいた。

 そんな妹に対して、虹々菜さんは「ムカつく時もあるけど、大切な存在。小学校も2人で手をつないで行っとったし、『ただいま』『おかえり』みたいな会話も普通にしていたし、普通にしゃべりたい、前みたいにしゃべりたいって感じ」と胸の内を明かす。由希絵さんは「私たちの中では『こじらせ』っていう言葉で、笑いながらやり過ごしている感じ。その言葉がないと、ちょっともう本当にしんどい」と話した。

 由希絵さんは3年半ほど前から、家族との日常をインスタグラム(@tomagou.don)で発信している。歌って、踊って、仮装するひょうきんな由希絵さんと、どこまでもマイペースな結衣菜さん。

 ユーモアたっぷりに暮らす家族の姿が人気を集め、フォロワーは20万人を超えている。

「おもしろがっとる。何するにも家族全員で。楽しんでもらっているし、自分らがすごく楽しんでいるし、じっと悩んで、悩んでするよりかは、結衣菜のおもしろいところを引き出していきよる」夫・哲資さん

「それぐらいがええんかもな、困り果てずにな」由希絵さん

「そうじゃ」哲資さん

「『どうにかなるだろう』ぐらいが、新しいことに挑戦できるかもしれん」由希絵さん

「ポジティブっていうよりは、ただただこの子と進むしかない。この1日が未来の結衣菜につながりますようにとしか思っていない」由希絵さん

 SNSをきっかけに、全国から講演会の依頼が寄せられるようになった。

「結衣菜は1つのことを習得するまでに、かなり年月がかかります。でも、世の中に出ていくそれまでに、当たり前のことを当たり前にできるように。親子で頑張ってきました」(講演会での由希絵さん)

 来場者からは「とにかく明るい。見ているだけで元気が出るし、自分もこうなりたいな」「自分だけじゃないんだなとすごく救われてきたんですけど、今も毎日楽しませてもらって」という声が上がった。

 子育ての悩みや経験を、本音で語る由希絵さん。その原点は、わが子を受け入れられなかった「過去」にあった。

涙の「過去」と、結衣菜さんの将来の夢
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