■14歳の誕生日ケーキ作りへの挑戦
4月、結衣菜さん14歳の誕生日。そして、新学期のスタートでもある。環境の変化が苦手な結衣菜さんにとっては、憂鬱な登校。帰宅後はしっかりこじらせていた。
「かーかん、かーかん、かーかん。中学生の卒業はしません!」結衣菜さん
「そうですか…」由希絵さん
結衣菜さんが前向きな気持ちになれるように、2人でバースデーケーキを作ることにした。自分のケーキは自分で作る。
「砂糖60g入ります!まいりまーす。入りました!」結衣菜さん
「将来は本当に、お菓子屋さんに勤めてくれたらいいな…」由希絵さん
ケーキを生地から作るのは、今回が初めて。オーブンを前にワクワクしながら、待つこと30分。ところが、できあがったのはふわふわのスポンジケーキではなく、カチカチに固まった生地。結衣菜さんは「また失敗…」とつぶやく。由希絵さんは「穴が空いちゃいました…1回目にしては上出来だと思います。よく頑張った、結衣菜」と励ます。失敗しても、最後まであきらめない。由希絵さんと結衣菜さんが、ずっと続けてきたことだ。
デコレーションを終え、由希絵さんが「めちゃキレイ!結衣菜!」と褒めると、結衣菜さんは「ありがとー!」と喜ぶ。
「練習したらこの子できるんよって。苦手な部分もあるけど、この子は誰よりもまっすぐで、くじけることもあったとしてもちゃんと前に進める」(由希絵さん)
およそ2時間をかけて、ケーキを完成させた。
「次は柔らかく作ろうね」由希絵さん
「はーい…」結衣菜さん
「14歳の誕生日は、初めて作ったケーキがスコーンになったねって、結衣菜とまた来年しゃべりながら大成功させたいね」由希絵さん
姉に対するこじらせから、誕生日でも虹々菜さんたちが帰宅する前に寝てしまった結衣菜さん。帰宅した哲資さんと虹々菜さん、由希絵さんでケーキを切り分ける。
「空洞になったんよ、中が。切ったら中がないんよ」由希絵さん
「ハハハ…」哲資さん
「うま!うまい」虹々菜さん
「おいしい」哲資さん
「なんか…スコーンみたいな」虹々菜さん
「でも、結衣菜が本当に一生懸命作った。私が手を出せないぐらい」由希絵さん
結衣菜さんのこじらせが終わって、4人でケーキが食べられる日を、家族は心待ちにしている。
職場体験で見えた「将来の結衣菜」と未来へのつながり
