廃業からの復活、祖父の味を「数値化」孫が受け継ぎ進化させた“牛骨ラーメン”…山形二代目平吉屋の挑戦

(2/4) 記事の先頭へ戻る

 大類さんはかつて交流してきた"作り手”たちの力も借りることに。山形の人気ラーメン店を営む「麺辰」の鈴木敏彦店主、「城西金ちゃんラーメン」の荒木英之店主、「自家製麺たつ之也」の荒木達也店主が、大類さんの作るラーメンを試食した。これまで食べる側として交流してきた作り手に初めて自分の一杯を評価される。

 「牛感はしっかり感じるよね」「嫌いな人はいないべな」といった前向きな感想もあったが、スープに関しては「一番主張するのはスープ?だったらもうちょっと塩味が強くてもいいんじゃない?」「油分ももうちょっと強くてもいいんじゃないかな」といったダメ出しも出た。「泣きそうだ」と話す大類さんに、店主らは「頑張って」と笑顔でエールを送った。

 レシピのない祖父の味をどう再現するのか。大類さんの試行錯誤は続いていた。その日向かっていたのは「酒井製麺所」で、太さの異なる試作麺が用意されていた。

 大類さんは太麺を手に取ると「見た感じはものすごくいいですね。形としても」「ちょっと大変ですけど、手もみが好きなので。ぷるっとした感じの軽い極太麺をやりたい。もんだ時に表面積が変わってくるから、やっぱり1ミリ太いとか細いとかで、手もみをガッツリしても結構幅が変わってくる。細かいですけれども」と、自身のこだわりを語った。

 再現するだけでなく、次の世代にも愛されるラーメンを作りたいという目標から選んだのは、極太の手揉み麺。大類さんは「手もみによる不規則なちぢれ、これが口の中で踊る。“麺の大トロ”ここが一番うまいです」と話した。

 受け継いだ牛骨の味をさらに際立たせるため、大類さんはあえて牛骨だけでスープをとることにした。その量も祖父の代のおよそ2倍に増やした。

「牛骨は山形の人にはなじみがあるけど、一歩間違えると芋煮っぽくなっちゃう。しっかりと牛骨の風味とか、牛の脂の旨味みたいなのを感じ取って欲しいので、すっきりした醤油ダレを使って、牛骨をダイレクトに感じてほしい」(大類さん)

 祖父から受け継いだ優しい牛骨スープ。その持ち味は変えず、物足りない人には好みのパンチを加えてもらう。大類さんは3つの味変アイテムを開発し、食べる人が自分好みに仕上げられるようにした。

ラーメンライター井手隊長が実食
こんな記事も読まれています
この記事の写真をみる(9枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る