■閉ざされた相談環境と「女だから」という周囲のバイアス
女性後継者の実態調査を行った日本跡取り娘共育協会の代表理事を務める内山統子氏は、「今回の調査の中で一番特徴的だと思うのは、女性の後継者たちのほとんどが相談相手がいない状態の中で事業承継を“してしまっている”、“せざるを得ない”ケースが多い」と語る。
「女性の後継者が一番先に相談するのは“家族”。次に周りにいる(弁護士などの)“士業”の人。閉ざされた環境の中で意思決定しているのが見受けられた」(内山氏、以下同)
また、事業承継で直面した課題について、実に65.4%の人が「後継者が女性であることに影響があった」と回答している。内山氏は「女性がまだまだ後継者として見られづらいという傾向が、一部業界や一部地域である。『あー女なんだ』と言われたり、言わなくても露骨に態度に出されたり。実際、子育てをしながらだと、夜の会合や麻雀、ゴルフの会などには行きづらく、コミュニティー形成が難しかったという話がある」と、女性ならではのハードルを説明した。
このハードルは業界だけでなく、事業を譲る側の家族にも存在する。「能力や意思があっても、結局『女性である』というだけで承継のタイミングを失ったり、後ろ倒しになるのが本当にもったいない」。
この問題について、滝川氏は「バイアスだと思う」と言及。「日本は家を継ぐのは男性という考え方が根強く、女性に継がせるのはイレギュラーなこと。このイレギュラーに対して人は不安を抱きがちで、その不安が足枷になっている」と分析。その上で、「これは家族内での役割分担や偏見を取り払うことで解決できることが多い」とした。
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