将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、棋聖、棋王、王将、24)に服部慎一郎七段(27)が挑戦する第39期竜王戦七番勝負第1局が10月9日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で行われた。1日目の終盤、後手の服部七段の手番で封じ手の時刻を迎えたが、2日制対局が初体験となる服部七段が「封じ手」の一連の手順に思わず悪戦苦闘する一幕があり、解説陣や視聴者を大いに和ませた。
午後6時を回り、立会人を務める森内俊之九段(55)が定刻の封じ手時刻となったことを告げると、服部七段はすぐに44手目を封じる意志を示した。服部七段にとってタイトル挑戦は2度目となるが、2日制の対局は今回が初めて。そのため、封じ手の一連の作業もこれが“初体験”となった。
服部七段はまず、封じ手を記入する場所について森内九段に確認。別室に移動して記入することを確認すると、静かに席を立った。しばらくして対局場に戻ってきた服部七段だったが、本来であれば対局相手の藤井竜王に封筒を渡し、完全に封じられていることを確認した上でサイン(署名)をもらうのが“定跡”のところ、誤ってそのまま森内九段へ封筒を渡してしまう。
十八世名人の資格を保持する経験豊かな森内九段は動じずに封筒を受け取ったものの、本来は封じた本人が記入すべき自署の書き漏れがあることを優しく指摘。記録机を挟んでその場で丁寧な“指導”が行われた。
ABEMAで解説を務めた深浦康市九段(54)は、「初めてなので初々しいですね。学校の先生と生徒みたいですね」と、その微笑ましいやり取りを温かく見守った。
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