将棋の第39期竜王戦七番勝負第1局が10月9日・10日の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で行われ、藤井聡太竜王(名人、王位、棋聖、棋王、王将、24)が挑戦者の服部慎一郎七段(27)に113手で勝利した。6連覇を目指す若き絶対王者が開幕局を白星で飾り、シリーズ先勝を果たした。
注目の開幕局は、振り駒により藤井竜王の先手番でスタート。得意の角換わりを目指す王者に対し、自身初の2日制対局に挑む挑戦者の服部七段は角換わりを拒否し、自ら未知の力戦へと持ち込む意表の構想を披露した。定跡を離れた超難解な局面へと突入したことで、両者ともに序盤から長考を重ねるスローペースな展開となり、1日目は服部七段が44手目を封じて指し掛けとなった。
迎えた2日目は、服部七段が封じた桂馬の一手から対局が再開。後手から動いて局面を揺さぶろうとする挑戦者に対し、藤井竜王は冷静沈着に応戦した。左辺での激しい戦いの中で放った“端角”を足がかりに、徐々にペースを握っていった。
反撃の糸口を探る服部七段だったが、藤井竜王はリスクを極限まで抑えた手堅い指し回しを徹底。常に守勢に回る苦しい展開を強いられた服部七段は持ち前の粘り強さで必死に食らいついたものの、藤井竜王は正確無比な対応でじりじりとリードを拡大。最後まで相手に付け入る隙を一切与えず、的確に急所を攻め立てて見事に勝ち切った。
難解な力戦模様の中でも崩れることなく、圧巻の手堅さで最高のスタートを切った藤井竜王。初タイトル奪取を狙う服部七段も随所に鋭い構想を見せたものの、終始守勢に追われる厳しい戦いとなり、王者の分厚い壁を崩すには至らなかった。
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