■企業文化の継承か、流動性の確保か 日本型雇用の歴史的背景と葛藤
経済ジャーナリストの荻原博子氏は、塩野義製薬の取り組みを評価した上で、「アメリカの企業のように、いい人材をどんどん入れて不要になればどんどん捨てていけばいいのかもしれないが、そうすると企業文化や企業の永続性といったいろいろなものに支障が出てくる。アメリカのように極端な流動的社会になってくると、落ちこぼれていく人が増える」と懸念を示し、「人事の方が能力を発掘していくのも非常に大切なことだ」と主張した。
一方で、日本における定年制度の歴史的背景について、近畿大学情報学研究所所長・夏野剛氏は、「アメリカでは年齢差別禁止法は1967年に導入されており、年齢を理由に雇用を打ち切る定年制度は、年齢差別に当たるという考え方だ。しかし日本の場合は、解雇しないから逆に定年という制度が残ってしまった。本当は定年制度そのものをやめるべきだと思うが、解雇の仕組みとの関係が整理されていない」と現状を分析した。
名古屋商科大学大学院教授の大槻那奈氏も、「良い人については残したいというのはすごく分かるが、どうしてもその業態に合わない人というのもいる。そういう人には金銭解雇など、どういう形であれ辞めていただく時というのもあると思う。それと両輪じゃないとアンバランスだ」と語った。
■生産年齢人口が減る社会で、シニア人材をどう生かすか
