■「景気対策なのか、物価高対策なのか、位置付けがよくわからない」
政府案について、経済学者で駒澤大学准教授の井上智洋氏は「政府が減税しようとか給付しようという基本的な方向性はいいと思っているが、食料品だけの消費減税となるといろんな歪みがあるので、一律現金給付がベストだと思っている」と述べる。
同じく経済学者で高崎商科大学専任講師の柿埜真吾氏も「食料品だけ減税というのは歪みがある」という点では井上氏と同意見としつつ、「一応公約に沿った提案であり、日本は食料品価格が諸外国と比べて若干高いということもある。中低所得者向けの給付をやるためのつなぎの話として、セカンドベストくらいではないか」と評価する。
論点として柿埜氏が強調したのが、政策の目的の曖昧さだ。「給付の問題は、景気対策なのか、物価高対策なのか、それとも中低所得者向けの新たな社会保障なのか、位置づけがよくわからない形で打ち出されている。与党の提案にしても同じで、コロナ禍以降、毎年緊急避難として給付が続いているが、毎年毎年緊急事態が続いているわけだ」と指摘する。
また、「一時的な給付は、市区町村が大変な作業をして終わったら書類を全部破棄し、翌年また同じ資料を集めることになる」と述べ、継続性のなさを問題視する。MCの松陰寺太勇(ぺこぱ)も「一発の給付で世の中が回るようになったという実感が思い返せない」と疑問を呈した。
井上氏は1人に対して10万円減税するのと10万円給付するのは「可処分所得という意味では結果が同じ」と整理した上で、「一番の目的は生活支援であって、景気刺激は二番目の目的だ。景気を刺激したいと言いつつ物価は上げたくないという人もいるが、景気を刺激するなら物価が上がるのは許容しないといけない」と語る。
■「給付が貯蓄に回ることの何が悪いのか」
