■「給付が貯蓄に回ることの何が悪いのか」
片山財務大臣が「給付は貯蓄に回る率が高く、食料品の消費減税なら確実に消費効果がある」と主張したことに対し、井上氏は「貯蓄に回って逆に何が悪いのか。景気を刺激することが目的ではないし、国は老後に備えて2000万円貯蓄しろとも言っている。特に貧しい人は消費に回す率が多いので、生活に困っている人たちの支援には結果としてなる」と反論する。
元明石市長で参議院議員の泉房穂氏は「明石市長を12年やってきた実感として、給付はあまり効果が薄い」と述べ、「交付金で地域商品券を回すと、生活の負担が助かるだけでなく、それが地元の商店街で使われて商店街が儲かり、税金でまた戻ってくる。お金が止まらずに回る」と、使途を限定した支援の方が政策効果は高いとの考えを示す。「現金をただばらまくだけなら本当に知恵が少ないと思う」とも語った。
一方、井上氏はこれに対し「何か知恵をつけると制度が複雑になって手続きのコストがかかる。食料品だけ消費税率を引き下げるとレジを替えなければいけないとか、値札も貼り替えなければいけないとか、レストランに行かなくなるとかいった歪みが出る。歪みのある制度を導入すると、その歪みをなくすためにまたさまざまな政策が必要になる」と指摘し、シンプルな一律給付の優位性を主張する。
泉氏はさらに「給付するんだったら、例えば児童手当の拡充や児童扶養手当など、対象を絞って継続的に支給するならまだわかる」と述べた。一方、柿埜氏は「毎年違う形で緊急避難的に打ち出していくと、自分の所得が今後どうなるか分からない一時的な所得にしか受け取られないので、使わずに貯蓄するのが普通の判断だ」と述べる。さらに「給付の経済効果を研究した研究では、消費を増やす効果は減税に比べて小さいという結果が多い。経済成長という観点からも、給付の位置づけが分からないままやっていくのは反対だ」と語る。
柿埜氏はまた、投資や法人税に関する減税にはサプライサイドへの効果、すなわち「働く意欲を刺激したり、新しい投資を増やしたりする効果がある」とも指摘。「どちらかといえば給付に反対というわけではなく、中低所得者への支援としての給付には賛成だが、政策の位置付けが曖昧なまま実施することには疑問がある」との立場を示した。
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