■「AIによる雇用喪失に備え、ベーシックインカムが不可欠になる」
議論の後半では、より長期的な視点から井上氏が「AIベーシックインカム」論を展開した。「AIによって雇用が奪われるという話を10年ほど前からしているが、AIが普及して多くの雇用が奪われるとなった時に、一人一人に生活保護を審査するのかという話になってしまう。ベーシックインカムで最低限のラインを支え、AI時代には不可欠になるだろう」と述べる。具体的には月7万円・財源100兆円を差し当たりの目標として示し、「AIによって生産性が高まっていけばこの額はどんどん増やしていける。ここからスタートしましょうというお話だ」と説明する。
また、「ベーシックインカムなしにAIだけが発達して普及すれば、富が資本家やAI企業を経営する人々に集中し、それ以外の人たちは雇用もなくかなり貧しくなる。ディストピアからユートピアに変える手段としてベーシックインカムが必要だ」と訴えた。2030年頃から日本でも目立ったAIによる失業が起きるだろうとの見通しも示した。
柿埜氏はAIの発展に対応した普遍的な社会保障としてのベーシックインカムの意義自体は認めつつも、「AIが全ての仕事を一度にやることはできず、使える電力も有限だ。人間の仕事は何かしら残るはずだ」と慎重な見方を示す。これに対し井上氏は「大事なのは人間の仕事が残るかどうかじゃない」と反論。AIによって雇用がどこまで失われるのかをめぐり、両者の見解は分かれた。
(『ABEMA Prime』より)

